2023.05.05

そもそも運転資金とは?その計算式や調達方法をきちんと知っておこう!

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    不足すると倒産も起こりうるので、日頃から運転資金をしっかりと管理!

    運転資金とは、事業を営むうえで必要不可欠となるお金です。そして、運転資金が足りなくならないようにコントロールすることを資金繰りと呼んでいます。

    大きく分けると、事業を行うために欠かせないお金には運転資金と設備資金の2つがあります。仕入れ代金や人件費、オフィス賃料の支払いなど、経営において継続的に必要となってくる運転資金に対し、情報機器や製作機械の購入費などが該当する設備資金は、必要に応じてその都度求められるものです。

    特に運転資金は、事業にとってはまさしく生命線だと言えます。継続的に出ていく費用に充てるものですから、不足してしまうと経営が危うくなり、倒産という最悪の事態にも結びつきかねません。

    つまり、必要となる運転資金の金額をきちんと把握し、日頃からしっかりと管理することが重要となってくるわけです。運転資金の必要額については、①在高方式、②回転期間方式と呼ばれる2の計算式を用いて算出することが可能です。

    必要となる運転資金を大まかに把握できるのが在高方式の計算式

    在高方式の計算式は、必要となる運転資金の金額を大まかに把握するためのものです。「在高」とは、現時点において手元にあるお金の総額を意味しています。

    在高方式では、その時点で保有している資産や債権、負っている債務をそれぞれ計算し、手元に確保しておくべき運転資金を算出します。具体的には、「運転資金=売上債権(売掛金+受取手形)+棚卸資産-買入債務(買掛金+支払手形)」という計算式を用います。

    売上債権は「まだ未回収の売上代金」、棚卸資産は「まだ未販売の状態にある商品の在庫」です。どちらも、その時点においては現金化できていないという点が共通しています。

    一方、買入債務は「仕入れなどにかかった費用でまだ未払いのもの」を意味します。在高方式では、「現金化前(将来)の収入」から「未払い(将来)の支出を差し引くことによって、必要となる運転資金を把握します。

    売上債権が現金化されるまでの間、買入債務(すべての支払い)が猶予され、「売上債権>買入債務」の状況になっていれば、手元に資金を用意しておく必要は生じません。しかし、売上債権の現金化よりも買入債務の支払いサイクルのほうが早く訪れがちなのが現実でしょう。

    そこで、売上債権が入金されるまでの間の「つなぎ」として用いられるのが運転資金です。言い換えれば、入金と出金とのタイミングのズレを穴埋めするために必要な金額を把握するのが在高方式の計算式です。

    計算は面倒だが、正確に必要な運転資金を把握できる回転期間方式

    これに対し、さらに細かく正確に必要な運転資金を把握できるのが回転期間方式と呼ばれるものです。その計算式は、「運転資金=平均月商 ×(売上債権回転期間+棚卸資産回転期間-買入債務回転期間)」となっています。

    計算式の中に出てくる「回転期間」という言葉は、債券や債務に関する取引が完結するまでの期間のことを意味しています。たとえば、売掛金が発生してからその代金が回収されるまで、仕入れを行って買入債務が発生してからその代金を支払うまで、在庫を抱えてから売却して代金を回収するまでの期間が該当します。

    日本の商習慣では、その場で現金決済を行わず、掛取引(所定の期日までに送金する後払い)を用いるケースが主流です。個々の代金受け取りや支払いのスケジュールによって、いつまでにいくらのつなぎ資金が必要となるのかが決まってきます。

    入金と出勤のタイムラグを反映し、より高い精度で必要となる運転資金を算出するのが回転期間方式なのです。きちんと把握できるものの、在高方式のように簡易な計算方法ではないのが難点だと言えるでしょう。

    売上急増中でも油断禁物!資金繰りを改善させるために打つべき手とは?

    資金繰りの悪化とは、運転資金の確保に苦労するようになった状態のことを指しています。そのようなピンチに陥らないためにも、売掛金をできるだけ早く回収する一方で、買掛金の支払い猶予をできるだけ長くできるようにコントロールすることが大切です。

    売上が大きく伸びている状況でも、油断は禁物だと言えるでしょう。なぜなら、売上の急拡大に伴っておのずと仕入れの金額や在庫も増えることになるからです。

    売上が減少もしくは横ばいで推移する中で資金繰りに苦しむような場合は、販管費(販売費および一般管理費)の抑制や過剰な在庫の処分を図ることから進めるのが基本です。いわゆるコストの削減で、同時に売上の拡大につながる策も進める必要があります。

    売上原価を抑えることで利益率を高めるという手もありますが、インフレ傾向が続く中ではなかなか難しいことですし、仕入先に無理難題を押し付けると関係の悪化にもつながりかねません。しかも、提供している商品やサービスの質を落としてしまう恐れもあります。

    必要時に応じて、計画的に先手を打つ資金調達を進めていくことが大事!

    黒字経営でありながら、手元の資金が底を尽きて倒産に追い込まれてしまうケースがありうるのがシビアな現実です。必要となる運転資金を把握し、手元のお金だけでは足りない場合は、時間的に余裕のある資金調達を進めていくことが大切です。

    そして、運転資金を調達に関しては、国や地方自治体などの補助金・助成金、出資、融資、ファクタリングなどといった選択肢が挙げられます。各々にメリットとデメリットがあるので、この場で整理してみましょう。

    まず、補助金・助成金のほとんど返済不要で、非常にありがたい存在です。ただし、申請すれば誰でも受けられるわけではなく、審査に通過する確率が低いものの少なくありませんし、定期的に募集を行っていないケースが多いのも難点です。

    続いて、融資は日本政策金融公庫のような公的機関から民間の銀行、信用金庫・信用組合、ノンバンクまで幅広く取り扱っています。まとまった資金を調達しやすいものの、返済の義務が生じますし、審査には相応の時間を要します。

    金利負担の低さを踏まえれば公的機関を優先したいところですが、民間よりも審査結果が出るまでの時間が長くなりがちです。民間の中では銀行の金利が低めである半面、審査も相対的に厳格だと言えます。逆から言えば、ノンバンクのビジネスローンは相対的に審査が厳しくないものの、金利が高めの設定です。

    一方、まだ支払期日が訪れていない売掛債権を売却して現金化するファクタリングは負債ではないため、負債とは違ってバランスシートの悪化に結びつきません。融資の場合は赤字経営だと審査に通過するのが困難ですが、売掛先の信用力を重視するファクタリングの場合は資金調達できる可能性があります。

    しかも、保証人や担保も不要ですし、最短では申し込んだその日のうちに現金を調達できます。急ぎの資金調達では、非常に有力な選択肢となってきそうです。

    まとめ:運転資金の把握と管理が盤石な経営をもたらす!

    事業を安定的に営んでいくうえで、運転資金の確保は極めて重要なテーマです。日本では掛取引が主流であるだけに、入金と出金のタイムラグが資金繰りの悪化を誘発しやすい側面があります。

    だからこそ、在高方式や回転期間方式といった計算式を用いて必要な運転資金を把握し、計画的に調達を進めていくことが大切です。

    この記事を書いた人

    Payなび運営チーム

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