投稿日:2023.05.05 最終更新日:2024.05.08

運転資金とは?種類や計算式、調達方法をわかりやすく解説

目次

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    事業を継続的に運営していくためには、運転資金の確保が欠かせません。売上げの増加や事業拡大を目指す場合はもちろん、外部環境の変化に対応するためにも、運転資金の適切な管理が求められます。

    本記事では、運転資金の基本的な概念から種類、計算式、調達方法まで、わかりやすく解説します。

    運転資金とは

    運転資金とは、事業を継続的に運営していく上で必要な資金のことです。具体的には、原材料の仕入れ、商品の製造、人件費の支払いなど、日々の事業活動に必要な支出(キャッシュアウト)を賄うための資金を指します。

    売上による収入(キャッシュイン)は、販売してから入金されるまでタイムラグがあります。このタイムラグを埋めるためにも、運転資金の確保が重要です。

    キャッシュアウトとキャッシュインのバランスを取りながら、適切な運転資金を維持していくことが、安定的な事業運営につながります。不足すれば事業継続が困難になり、逆に過剰であれば資金の有効活用が図れません。そのため、経営者には運転資金の適切な管理が求められます。

    運転資金の4つの種類

    運転資金は、その目的や発生タイミングによって4つの種類に分けられます。

    経常運転資金

    経常運転資金は、日々の事業活動を滞りなく進めていくために必要な資金です。具体的には、原材料の仕入れや従業員の給与、家賃、光熱費などの支払いに充てられます。

    事業規模や業種によって金額は異なりますが、安定した事業運営を維持するために、常に一定額を確保しておく必要があります。一般的に、運転資金は経常運転資金を指すケースが多いです。

    増加運転資金

    増加運転資金は、事業拡大に伴い必要となる運転資金です。売上増加に合わせて、原材料の仕入れや人員の拡充などに要する費用がこれに当たります。

    増加運転資金は、事業の成長に不可欠ですが、売上増加から実際の入金までのタイムラグを考慮することが重要です。売上の増加が見込まれる一方で、それに伴う支出も増えるため、増加運転資金を用意しておく必要があります。

    減少運転資金

    減少運転資金は、事業縮小に伴い発生する運転資金です。売上減少により、過剰な在庫や人員を抱えた場合などに必要となります。売上の回復やコスト削減による収支改善までのつなぎとして、適切な資金確保が必要です。

    季節性運転資金

    季節性運転資金は、特定の時期に集中して発生する費用に対応するための運転資金です。例えば、旅行業であれば繁忙期前の仕入れ資金、小売業であれば年末商戦に向けた在庫調達資金などが該当します。

    季節性運転資金は、事業の特性を踏まえ、適切なタイミングでの資金確保が重要です。必要な時期に必要な金額を準備できるよう、綿密な資金計画を立てることが求められます。

    運転資金の内訳

    運転資金は、事業活動に必要な様々な支出で構成されており、これらの支出は大きく「変動費」と「固定費」の2つに分類することができます。

    変動費

    変動費は、売上高に応じて変動する費用を指します。生産量や販売量の増減に伴って、比例的に増減するのが特徴です。具体的には、原材料費、仕入費、外注費、販売手数料などが該当します。

    変動費は、売上高に連動して増減するため、売上高の予測を立てることで、ある程度コントロールすることが可能です。ただし、急激な売上変動があった場合には、運転資金の過不足に注意が必要です。

    固定費

    固定費は、売上高の変動に関わらず、一定期間発生する費用を指します。事業規模や活動量に関係なく、定額で発生するのが特徴です。具体的には、人件費、家賃、保険料、減価償却費などが該当します。

    固定費は、売上高に関わらず発生するため、売上が低迷した場合でも費用がかかります。そのため、固定費の割合が高い事業では、売上変動リスクに備えて、十分な運転資金を確保しておく必要があるでしょう。

    運転資金と設備資金の違い

    運転資金と設備資金は、ともに事業を運営していく上で必要な資金ですが、継続的に発生するかどうかという点で大きく異なります。

    運転資金は、日々の事業活動に必要な資金で、原材料の仕入れ、人件費の支払い、家賃、光熱費などの短期的な支出に充てられます。これらは定期的に発生し、事業を継続的に運営するために欠かせない資金です。

    一方、設備資金は、事業の継続や拡大のために必要な長期的な投資を指します。具体的には、機械設備の購入、工場の建設、事業用車両の購入、事務所の敷金・保証金などが該当します。設備資金は運転資金のように定期的にはかかりませんが、一時的に大規模な資金が必要になることもあります。設備投資を行う際は業況とタイミングを見極め、計画的に行うことが重要です。

    また、会計上の扱いも異なります。運転資金は、損益計算書(P/L)に計上されます。一方の設備資金は、貸借対照表(B/S)に計上され、資産として扱われるのが特徴です。

    運転資金の計算式

    運転資金の必要額は、「在高方式」と「回転期間方式」の2つの計算式で算出できます。

    在高方式

    在高方式は、売上債権、棚卸資産、買入債務の残高から運転資金を算出する方法です。以下の計算式で表されます。

    運転資金 = 売上債権 + 棚卸資産 - 買入債務

    例えば、企業Aの売上債権が5,000万円、棚卸資産が3,000万円、買入債務が4,000万円だとしましょう。この場合、運転資金は以下のように算出されます。

    運転資金 = 5,000万円 + 3,000万円 - 4,000万円 = 4,000万円

    つまり、企業Aでは4,000万円の運転資金が必要であると判断できます。

    回転期間方式

    回転期間方式は、売上債権回転期間、棚卸資産回転期間、買入債務回転期間を用いて、運転資金を算出する方法です。以下の計算式で表されます。

    運転資金 = 平均月商 ×(売上債権回転期間 + 棚卸資産回転期間 - 買入債務回転期間)
    売掛債権回転期間 = (売掛金 + 受取手形)÷(年間売上高 ÷ 12)
    棚卸資産回転期間 = 棚卸資産 ÷(年間売上原価÷12)
    買入債務回転期間 = (買掛金 + 支払手形)÷(年間売上原価 ÷ 12)

    例えば、企業Bの平均月商が1億円、売上債権回転期間が60日、棚卸資産回転期間が90日、買入債務回転期間が30日だとしましょう。この場合、運転資金は以下のように算出されます。

    運転資金 = 1億円 ×(60日 + 90日 - 30日)÷ 30日 = 4億円

    つまり、企業Bでは4億円の運転資金が必要であると判断できます。

    運転資金の目安はどれくらい?

    運転資金の必要額は、事業の規模や業種、成長段階によって大きく異なります。一般的に、売上高の1〜3カ月分程度が運転資金の目安とされていますが、これはあくまでも平均的な数値です。

    例えば、小売業や飲食業など、日々の売上げが運転資金の主な源泉となる業種では、1カ月分程度の運転資金があれば、十分な場合もあります。一方、製造業や建設業など、受注から入金までのサイクルが長い業種では、3カ月分以上の運転資金が必要となるケースもあるでしょう。

    また、事業の成長段階によっても運転資金の必要金額は変わります。創業期や成長期には、設備投資や人材採用などに多額の資金が必要となるため、通常よりも多めの運転資金を確保しておく必要があるでしょう。

    自社の事業特性や財務状況を踏まえて、入金と支払いのバランスを考慮することが大切です。常に資金繰りの状況を把握し、必要に応じて速やかに運転資金を用意できる体制を整えておきましょう。

    運転資金が不足したときの調達方法

    ここでは、運転資金が不足したときの資金調達方法を紹介します。

    即日で資金調達する4つの方法 | メリット・デメリットや利用時のポイントを解説

    日本政策金融公庫

    日本政策金融公庫は、中小企業や個人事業主へのサポートを行っている公的機関であり、様々な融資制度も提供しています。

    例えば、「新創業融資制度」は、創業前や事業を開始して2期目を終えてない事業者を対象とした制度です。無担保・無保証人で最大3,000万円借入れすることができます。

    日本政策金融公庫の融資制度は、民間金融機関と比べて金利が低く、長期の借入れができるのがメリットです。一方で、審査に時間がかかる場合があり、迅速な資金調達が必要な場合には適さない可能性もあります。

    ビジネスローン

    ビジネスローンは、銀行や信用金庫などの金融機関が提供している金融商品です。審査がスピーディーで、融資実行までの時間が短いという特徴があります。また、無担保・無保証のビジネスローンも存在するため、担保の提供が難しい事業者にとっては利用しやすいです。

    一方で、ビジネスローンの金利は、一般的な融資と比べて高めに設定されているケースが多いです。また、融資額に上限がある場合も多く、大規模な運転資金には向いていません。

    補助金・助成金

    補助金・助成金は、国や地方自治体が提供している資金援助制度です。補助金・助成金の大きな利点は、返済の必要がないことです。事業の成長や安定化に向けた資金として活用できます。

    ただし、補助金・助成金は後払い制です。事業者は一旦自己資金で事業を実施し、その後に補助金・助成金を受け取ることになります。このため、事業開始時には一定の運転資金を確保しておく必要があります。

    以下の記事では、補助金と助成金の違いについて詳しく解説しているので、ぜひチェックしてみてください。

    補助金と助成金の違いを比較!利用する際の注意点も紹介

    クラウドファンディング

    クラウドファンディングは、インターネット上で不特定多数の人から資金を調達する方法です。誰でも手軽に挑戦でき、金融機関から融資を断られた場合でも資金調達できる可能性があります。

    一方で、クラウドファンディングを成功させるためには、魅力的な事業プランを提示したり、周知するために積極的に情報を発信していくことが必要です。また、資金調達の目標額に達しない場合、プロジェクトが実現できなくなるリスクもあります。

    ファクタリング

    ファクタリングは、売掛金を活用した資金調達方法です。保有する売掛債権をファクタリング会社に売却することで、最短即日で資金調達することができます。また、2社間ファクタリングという取引形態では、取引先にファクタリングの利用が知られることがありません。

    一方で、ファクタリングには手数料がかかります。売掛金の額面よりも低い金額で買い取られるため、調達できる金額が限定的になる点には注意が必要です。

    運転資金を適切に管理・調達して事業を運営しよう!

    運転資金は、事業を継続的に運営していくための生命線です。事業の規模や業種、成長段階に応じて、必要な運転資金の額や調達方法は異なります。キャッシュフローを常に意識し、適切な資金管理と調達を行い、事業を継続していきましょう。

    運転資金を調達する方法としておすすめなのが、ファクタリングです。ファクタリングは、売掛金を早期に現金化することで、資金繰りの改善に役立ちます。「Payなび」では、複数のファクタリング会社に一括で申込みができるため、自社に最適な条件のファクタリング会社を見つけやすくなっています。

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    この記事を書いた人

    Payなび運営チーム

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