中小企業におすすめの資金調達方法9選 | それぞれの特徴や利用時のポイントを解説
目次
CLOSE中小企業にとって、資金調達は事業を成長させるために重要な課題です。そのため、どのような資金調達方法があるのか気になる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、中小企業が活用できる資金調達方法や利用時のポイントを紹介します。
中小企業における資金調達の重要性
中小企業が存続・発展していくためには、資金調達は重要な要素です。事業を運営していく上で設備投資や人材採用、広告宣伝費が必要になるケースもあるでしょう。しかし、ビジネスでは数ヶ月後に支払う掛取引が一般的であるため、その間の資金繰りに苦戦する中小企業事業者も少なくありません。
売上が立っていても支払いに充てる資金がなくて倒産してしまうこともあります。これを黒字倒産といいます。黒字倒産を未然に防ぐためには常日頃からキャッシュフローを管理し、必要に応じて資金調達を検討する必要があるのです。
中小企業の資金調達が難しいのはなぜ?2つの理由
中小企業にとって資金調達が事業の存続と成長に欠かせないものであることは明らかです。しかし、その重要性にもかかわらず、多くの中小企業が資金調達に苦戦しているのが現状です。ここでは、中小企業の資金調達が難しい理由を見ていきましょう。
財務基盤が弱く信用性が低いため
中小企業の資金調達が難しい理由の一つは、財務基盤が弱く信用性が低いことです。
多くの中小企業は大企業に比べて資本金が少なく、財務状況が不安定な傾向にあります。そのため、金融機関や投資家からはリスクが高いと判断されやすく、融資や投資を受けにくいのです。
担保として提供できる資産がない
担保として提供できる資産が不足していることも、中小企業の資金調達が難しい理由です。多くの金融機関は、融資の際に担保を求めます。
しかし、中小企業は大企業と比べて保有資産が少なく、担保として評価される不動産や機械設備などが限られています。担保が足りないと金融機関にとってリスクが高まります。そのため、中小企業は融資を受けにくくなり、資金調達に苦戦するケースが多くなっています。
中小企業の資金調達方法9選
それでは、中小企業におすすめの資金調達方法を9つ紹介していきます。
- ファクタリング
- 日本政策金融公庫の融資
- 信用保証協会の保証付き融資
- 地方自治体の制度融資
- ビジネスローン
- エンジェル投資家
- VC(ベンチャーキャピタル)
- 補助金・助成金
- クラウドファンディング
1.ファクタリング
ファクタリングは、自社が保有する売掛金をファクタリング会社に売却することで、資金を調達する方法です。
ファクタリングを活用することで資金調達ができるだけでなく、売掛金を早期に回収することが可能です。掛取引における入金のタイムラグを解消できる点は大きなメリットと言えるでしょう。最短即日で利用できるため、急な資金繰りにも対応しています。
2.日本政策金融公庫の融資
日本政策金融公庫は、中小企業や小規模事業者を支援している公的機関です。国が全額出資している機関であることから、低金利かつ返済期間が長めであるのが特徴です。
日本政策金融公庫では、複数の融資制度が提供されています。特に「新規開業資金」は、令和6年4月から内容が一部変更され、融資が受けやすくなっています。概要は以下の通りです。
対象者 | 新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方 |
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資金用途 | 新規事業に必要な設備資金および運転資金 |
融資限度額 | 7,200万円(うち運転資金4,800万円) |
金利 | 基準金利 ※詳細はこちら |
返済期間 | 設備資金20年以内(うち据置期間5年以内)運転資金10年以内(うち据置期間5年以) |
ただし、審査期間が長く、2週間から1ヶ月程度必要になります。また、審査に落ちてしまった場合は、原則6ヶ月間は申し込みできなくなる点にも注意が必要です。1回で審査に通過できるように、準備はしっかり行いましょう。
3.信用保証協会の保証付き融資
信用保証協会は、創業者や中小企業に対して融資のサポートを行っている公的機関です。
信用保証協会の保証付き融資は、信用保証協会が中小企業の債務を保証している融資です。
なお、信用保証協会の保証がない銀行融資のことをプロパー融資といいます。
万が一返済が遅れた場合は、一時的に信用保証協会が弁済してくれます。銀行側のリスクが軽減されるため、プロパー融資に比べて審査に通過しやすいのがメリットです。
ただし、保証を受ける際には、借入金額や借入期間に応じた保証料というコストを負担する必要があります。
4.地方自治体の制度融資
制度融資は、地方自治体・信用保証協会・金融機関が共同して提供している融資です。信用保証協会が関与しているため、保証付き融資の一種とも言えます。保証付き融資と同じく、低金利で資金調達ができるのがメリットです。
地方自体によって制度融資の内容はさまざまです。中には融資だけでなく、経営サポートを行っているものもあり、経営課題を抱えている中小企業によって心強い味方になってくれるでしょう。
ただし、制度融資では3つの機関に各申請を行う必要があるため、入金までに時間がかかります。2〜3ヶ月程度かかると言われているため、資金調達のスケジュールに間に合うかを事前に確認しておく必要があります。
5.ビジネスローン
ビジネスローンは、法人や個人事業主を対象とした事業専用のローンです。事業用であれば、制限なく利用できます。銀行や信販、クレジットカード会社、消費者金融などが提供しており、それぞれの融資基準や金利、融資限度額は異なります。
融資スピードは早く、原則無担保・無保証人で申し込めるのがメリットです。一方、金利は公的機関や銀行に比べて高く、最大で18%前後になることもあります。
6.エンジェル投資家
エンジェル投資家は、株式市場に上場していない企業に対して出資を行う個人投資家です。出資を行った見返りに株式などを受け取り、その企業が株式公開(IPO)した際に、株を売却して利益を得ることもあります。
エンジェル投資家によって出資額は数百万円〜数千万円とさまざまです。エンジェル投資家は、将来性やビジネスモデルなどを基準として出資するかを判断するケースもあり、創業間もない企業でも資金調達できる可能性があります。
7.VC(ベンチャーキャピタル)
VC(ベンチャーキャピタル)は、ベンチャー企業やスタートアップ企業を対象に出資を行っている投資会社です。株式を売却することで、売却益を得ることを目的としています。エンジェル投資家と仕組みは似ていますが、VCは会社などの組織として出資を行っている点で異なります。
組織として行っていることから出資額も大きく、数億円の資金調達も可能です。出資であるため、返済義務も発生しません。
ただし、VCの出資を受けたら早期での結果を求められるケースが多く、経営に過度に介入されることもあります。また、期待通りの成果を出せないと判断された場合は、投資を回収される可能性があることも、あらかじめ留意しておきましょう。
8.補助金・助成金
補助金・助成金は、国や自治体が提供している返済不要の資金です。対象かつ条件を満たす事業者に対して支給されますが、補助金の場合は審査に通過する必要があります。
補助金は新規事業の開始、設備投資、研究開発など、特定の目的に使われることが多く、助成金は雇用創出や労働環境改善など、社会的な目的を持つ事業に対して支給されることが多いです。
なお、補助金・助成金を利用する際の注意点として、原則後払いである点が挙げられます。資金が必要なタイミングを考慮しながら、補助金・助成金を活用しましょう。
9.クラウドファンディング
クラウドファンディングは、インターネット上で不特定多数の第三者から資金を調達する方法です。事業内容やアイデアをプレゼンし、興味を持った支援者から資金を募ることができます。銀行融資と異なり審査がないため、アイデア次第で資金調達できるのがメリットです。
クラウドファンディングには、資金提供の方法や支援者への特典によって、いくつかの種類が存在します。例えば、「購入型」は商品やサービスをリターンとして提供するクラウドファンディング、「寄付型」は原則リターンなしで資金を集めるクラウドファンディングです。
クラウドファンディングの種類によっては、目標金額を達成しないと、資金を得られないものもあるため、事業に合ったクラウドファンディングを検討しましょう。
中小企業の資金調達としてファクタリングがおすすめな理由
ここまで、さまざまな資金調達を紹介しましたが、中小企業の資金調達にはファクタリングがおすすめです。中小企業の資金調達としてファクタリングがおすすめな理由は以下の2つです。
- 赤字経営でも利用できる
- 最短即日で資金調達できる
銀行融資の場合、中小企業は大手企業に比べると実績が少ないことから信用度が低く、審査に通るのが難しいこともあるでしょう。ファクタリングの審査では、売掛先の信用力を重要視しているため、赤字経営が続いている人や銀行融資が厳しい人でも受けられます。
また、資金調達スピードも他の資金調達方法と比べて早く、最短即日を利用することも可能です。急な資金繰りや即日で資金を調達したい人にとってファクタリングは有効です。最短即日で入金されるファクタリングサービスについて以下の記事で紹介しているので、参考にしてみてください。
⇒即日入金可能なファクタリングサービス5選|メリットや注意点、選び方のポイントを紹介
中小企業が資金調達を行う際のポイント
中小企業が資金調達を行う際は、以下のポイントを意識しましょう。
- 金利や手数料が少ない資金調達方法を検討する
- 資金調達までの時間を確認する
- 自己資金比率を増やす
- 資金使途を明確にする
- 事業計画書を具体的にアピールできるようにする
それぞれ詳しく解説します。
金利や手数料が少ない資金調達方法を検討する
金利や手数料が少ない資金調達方法を検討しましょう。資金調達方法によってコストがかかります。調達コストが多い分、調達できる金額が減ってしまいます。利用する前に各資金調達方法にかかるコストを確認しておきましょう。
資金調達までの時間を確認する
資金調達までの時間を確認することも重要です。資金調達によって資金が手元に届くまでの時間は異なり、数日から数週間、場合によっては数ヶ月かかることもあります。
事業の状況に応じて資金調達のスピードを考慮し、適切な方法を選ぶことが重要です。急速な事業展開や緊急の資金需要に対応するためには、即日で資金を調達できる方法を検討するのもいいでしょう。
自己資金比率を増やす
融資や補助金、出資において、自己資金比率を増やすことは重要なポイントです。自己資金比率を高めることで、審査担当者や投資家からの信頼を得やすくなり、より良い条件での融資や投資を受けやすくなります。
事業計画書を具体的にアピールできるようにする
事業計画書を具体的にアピールできるようにしましょう。事業計画書は、事業のビジョンや目標、戦略、市場分析、財務計画などを詳細に記載した文書です。特に以下のようなポイントを明確にしていきましょう。
- 資金をどのように使用するか(設備投資や運転資金、マーケティング活動など)
- 資金調達によってどのような成果が期待できるか
融資や補助金の審査では事業計画書が必要です。事業計画書の内容は審査に大きく影響するため、数字やグラフなどを活用して、シンプルかつわかりやすい文章を心がけましょう。内容に不安がある方は、税理士や中小企業診断士などの専門家に相談するのも一つの方法です。
まとめ
中小企業が成長していくためにも、計画的な資金調達が欠かせません。自社の状況や各資金調達の特徴を考慮した上で適切な資金調達を選びましょう。
特に銀行融資が降りなかったり、短期間での資金繰りが必要な場合は、ファクタリングがおすすめです。ファクタリングは売掛金を利用して資金を調達する方法で、最短即日で資金を調達することが可能です。
しかし、数多くのファクタリングサービスを展開しているため、自社に適切なファクタリングサービスがわからないという方もいるかと思われます。
「Payなび」では、複数の項目に答えることで、自社に適切なファクタリングを比較検討できるサービスを展開しています。一括で申し込めるため、その都度申し込む手間を省けます。「Payなび」を活用して、スピーディーに資金を調達していきましょう。