法人が受けられる銀行融資とは?必要書類や審査のコツ、代替手段を紹介
目次
CLOSE法人向け銀行融資|6種類
銀行融資は、担保の有無や資金使途などによって、以下の6つの種類に分けられます。
- プロパー融資
- 信用保証協会付き融資
- 不動産担保融資
- 売掛金債権担保融資
- ビジネスローン
- カードローン
それぞれの銀行融資について詳しく解説していきます。
プロパー融資
プロパー融資は、銀行が直接行う融資です。金利が低めで、融資額の上限も設けていません。返済期間も長めに設定できます。
ただし、プロパー融資では銀行が貸倒のリスクを100%負うため、審査基準は厳しめです。そのため、スタートアップ企業や業績に不安定な企業がプロパー融資を受けるのはハードルが高いといえます。
プロパー融資を受けるためには、まずは実績を積み重ねる必要があります。まずは、下記で紹介する信用保証付き融資で実績を積むことが肝心です。しっかり返済して信用力を徐々に高めていきましょう。
信用保証協会付き融資
プロパー融資が銀行だけで審査を行うのに対して、信用保証協会付き融資は信用保証協会の保証が付く融資です。
信用保証協会とは、企業の資金調達をスムーズに実施するために設立された公的機関です。都道府県に設置されており、中小企業が金融機関から融資を受ける際の保証人となってくれます。
そして、企業が貸し倒れになったときには、信用保証協会が銀行への返済を肩代わりします。これにより銀行は貸し倒れのリスクを軽減でき、融資を実行しやすくなる仕組みです。事業者は信用保証が付く代わりに、信用保証協会に対して保証料を支払います。
とはいえ、あくまで返済の立て替えなので、企業は最終的に信用保証協会に返済しなければいけません。また、銀行と信用保証協会の2回分の審査が必要となるため、融資実行までに時間がかかる傾向にあります。
不動産担保融資
不動産担保融資とはその名の通り、不動産を担保とする融資です。土地や建物を銀行に担保として差し出すことで、低金利で融資を受けられます。
不動産の価値によって融資額が決まり、評価額の最大70〜80%程度まで借り入れが可能です。場合によっては数億円規模の大型融資も受けられます。
ただし、担保評価の手続きや登記などに時間がかかり、諸費用も必要です。また、融資が返済できなくなった場合に不動産が差し押さえられ、売却されるリスクがあります。
売掛債権担保融資
売掛債権担保融資は、企業が保有する不動産以外の財産を担保として設定できる融資です。
ABL(Asset Based Lending)とも呼ばれ、売掛金や在庫、機械設備などを担保にできます。一般的な担保融資と異なり、事業の収益性や成長性を重視して融資額が決定されます。そのため、赤字企業だと審査に通過するのは難しいでしょう。
取引先への通知と承諾が必要なため、手続きに時間がかかることがあります。また、取引先によっては売掛金の担保設定を禁止している場合もあるため、事前の確認が重要です。
ビジネスローン
ビジネスローンは、事業資金用に特化した融資商品です。銀行だけでなく、クレジットカード会社や消費者金融なども取り扱っています。資金使途が事業資金や運転資金に限られており、事業者でない個人は利用できません。
多くのビジネスローンでは担保・保証人の設定が不要です。審査から融資実行までの期間が短く、最短即日での融資が受けられます。
また、総量規制の対象とならない点もメリットです。総量規制とは、借入総額が年収の3分の1を超える場合に新規借り入れを制限する制度です。ビジネスローンは事業性資金として扱われるため、この規制の対象外となります。
ただし、融資額は他の融資と比べると低く、数百万円台の融資が多いです。金利もメガバンクで1〜14%、地方銀行3〜15%と高めに設定されています。
カードローン
カードローンは、個人向けの融資です。専用のカードを使いますが、カードレスで利用できるサービスもあります。あらかじめ決めた限度額の範囲内で、何回でも借入や返済ができます。提携しているATMなら、24時間いつでもどこでも利用可能です。
ビジネスローンと同様、担保・保証人なしで融資を受けられます。ビジネスローンと違って資金使途に制限がないため、事業資金以外にも利用できます。ただし、事業資金としての利用を認めていない商品もあるため、契約前に確認しましょう。
法人が銀行融資を受けるまでの流れ
法人が銀行から融資を受ける際は、以下のような流れが進んでいきます。
- 事前相談・準備
- 申込・必要書類の提出
- 審査
- 契約・融資実行
それぞれの流れを詳しく見ていきましょう。
1.事前相談・準備
まずは銀行の窓口で事前相談を行います。相談時には決算書や事業計画書など、基本的な資料を持参すると具体的なアドバイスを受けやすくなります。銀行側が重視するポイントを確認し、本申込みに向けた準備を進めましょう。
2.申込・必要書類の提出
事前相談で確認した必要書類を揃え、融資申込書とともに提出します。一般的に必要な書類は、決算書や事業計画書、資金繰り表などです。
書類の不備は審査の遅れや否決の原因となるため、漏れがないよう慎重にチェックしましょう。不安がある場合は、提出前に税理士などの専門家に確認してもらう方法もあります。
3.審査
提出された書類をもとに、銀行が融資するべきかどうかを判断します。審査では財務内容や事業計画の妥当性、返済能力などを含め、総合的に評価されます。
この間に追加資料の提出を求められることもあるため、迅速に対応できるよう準備しておきましょう。
4.契約・融資実行
審査を通過すると、金銭消費貸借契約書などの契約書類の締結に進みます。契約内容をしっかりと確認し、返済条件や期限などを十分理解したうえで契約を行いましょう。
契約が完了した後は、融資金が指定の口座に入金され、以降は契約に基づいて返済を行っていきます。
法人の銀行融資の審査で必要な書類
法人の銀行融資の審査で必要な書類は以下のとおりです。
- 商業登記簿謄本
- 事業計画書
- 資金使途明細
- 決算書(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書等)
- 資金繰り表
- 納税証明書
- 印鑑証明書
- 確定申告書
提出書類は融資額や融資の種類によっても異なります。書類の準備には時間がかかるものもあるため、早めに確認して準備を進めることが重要です。
法人が銀行融資に通るためのポイント
法人が銀行融資に通るためには、いくつかの重要なポイントがあります。以下で主な3つのポイントを見ていきましょう。
財務状態の健全性を示す
銀行融資に通るためには、財務状態の健全性を示す必要があります。融資担当者は決算書の情報から「現預金はどれくらいあるか」「借入金の返済は順調か」「利益は安定的に出ているか」などをチェックします。
そのため、少なくとも直近3期分の決算書を用意し、安定した財務状態・経営状況を示すことが重要です。
売上の根拠を明示する
「なんとなく、これくらいの金額が必要」という曖昧な説明では、銀行の審査は通りません。事業の見通しを具体的な数字とデータで裏付けることが重要です。
事業計画書には売上予測の根拠となる具体的なデータを盛り込みましょう。例えば、固定客リストや取引先との契約書、市場調査や競合分析のデータなど、客観的な資料を用意することで、説得力が増します。
また、中小企業診断士などの専門家にアドバイスを受けるのも一つの案です。より精度の高い事業計画を作成できます。
想定される質問にスムーズに答えられるようにしておく
面談では、事業内容や資金使途、返済計画について具体的な質問を受けます。特に「なぜその金額が必要か」「どのように返済していくのか」といった質問への回答は、数字を示しながら具体的に説明できるよう準備しておきましょう。
また、質問への回答を暗記するのではなく、事業全体を理解した上で、自然に説明できるよう準備することが大切です。融資担当者との対話を通じて、事業への理解と熱意を伝えることができれば、融資実行の可能性も高まります。
銀行融資以外で法人が検討したい資金調達方法
銀行融資は金利が低い、限度額が大きいなどのメリットがありますが、借入のハードルが高かったり、審査に時間がかかったりするのがデメリットです。
ここでは、銀行融資以外で法人が検討したい資金調達方法をいくつかピックアップして紹介します。
ファクタリング
ファクタリングは、期日前の売掛債権を売却して、資金を調達する方法です。売掛金は本来、期日がこないと売掛債権を現金化できませんが、ファクタリング業者に依頼することで、期日を前倒して現金化できます。
売掛債権担保融資は、売掛債権の価値を評価するために時間がかかりますが、ファクタリングは売掛債権を売却する形をとるので、スムーズに審査が進みやすいです。
手数料や契約内容はファクタリング業者によって異なるため、複数の業者を比較検討することをおすすめします。
ファクタリングについて詳しくしたい方は「ファクタリングとは?仕組みやメリット、利用が向いているケースをわかりやすく解説」も参考にしてみてください。
日本政策金融公庫
日本政策金融公庫は、日本政府が100%出資している公的機関です。中小企業や小規模事業者の資金調達を支援することを目的としており、銀行融資を受けにくい企業でも利用できる融資制度を多数用意しています。
無担保・無保証人で最大7,200万円までの融資を受けられる制度があり、創業時の資金調達手段として人気です。審査次第で銀行融資より金利が低くなることもあります。
返済期間も長めに設定されており、設備資金なら最長20年、運転資金でも最長10年程度と、余裕を持った返済計画を立てやすいです。
制度融資
制度融資とは、都道府県や市町村などの地方自治体が設けている融資です。民間の金融機関と信用保証協会が連携して実施する仕組みで、自治体が利子補給や保証料の補助を行うことで、中小企業や小規模事業者の負担を軽減します。
審査のハードルは低く、金利も抑えられています。自治体による利子補給があるため、実質金利が年1%を下回るケースも少なくありません。
ただし、制度融資は、時間と手間がかかるのが難点です。銀行での審査に加えて、信用保証協会の審査も必要となるため、融資実行までに1〜2ヶ月程度かかります。
また自治体によって制度内容が大きく異なります。詳しい内容は自治体の窓口や地域の金融機関で確認しましょう。
クラウドファンディング
クラウドファンディングは、インターネットを通じて不特定多数の人から資金を集める方法です。「購入型」「投資型」「寄付型」など、複数の形態があります。
銀行融資は審査に通過する必要があり、実績や事業性が重視されます。新規性の高い事業や、まだ実績のない段階では融資を受けにくい傾向にあります。
対してクラウドファンディングは、アイデアや事業の魅力で共感を得られれば、実績がなくても資金調達が可能です。また、資金調達と同時に商品やサービスのPRも可能で、ファンづくりにも効果的です。
ただし、目標金額に達しないと資金を受け取れない場合もあるため、プロジェクト内容や目標金額はしっかり吟味する必要があります。
ノンバンクのカードローン
ノンバンクとは、消費者金融や信販会社など銀行以外の金融機関の総称です。ノンバンクもカードローンを提供しており、担保や保証人なしで融資を受けられます。
スピード重視の企業に向いており、最短即日での融資も可能です。Webでの申し込みにも対応しているため、来店の手間も省けます。
ただし、貸し倒れのリスクを抑えるために、銀行と比べると金利が高めであったり、借入限度額も低かったりするのがデメリットです。さらにノンバンクからの借入は信用情報機関に記録が残り、将来の銀行融資の審査に影響を与える可能性があります。
中小企業にとって銀行融資よりファクタリングがおすすめな理由
ここでは、中小企業にとって銀行融資よりファクタリングがおすすめな理由を詳しく紹介していきます。
審査がスムーズだから最短即日で資金を用意できる
ファクタリングは、銀行融資と比べて必要書類が少なく、決算書や事業計画書なども基本的に不要です。売掛先との取引実績や請求書があれば審査が可能で、業者によっては最短即日で資金を用意できます。
自社の信用力があまり重視されない
中小企業は大手企業と比べて信用力が低く、銀行融資だと審査のハードルが高めです。
しかし、ファクタリングでは売掛先の与信が重視されるため、中小企業はもちろん、創業間もない企業や赤字企業でも利用できます。売掛先が優良企業であれば、自社の財務状況に関わらず資金調達が可能です。
負債にならない
ファクタリングは売掛金の売却という形を取るため、貸借対照表上の負債として計上されません。そのため、自己資本比率などの財務指標に影響を与えることなく資金調達が可能です。
将来の資金調達の選択肢を残しながら、必要な運転資金を確保できる点が大きなメリットです。
信用情報に履歴が残らない
銀行やノンバンクからの借入は信用情報機関に記録が残りますが、ファクタリングは債権売買のため、信用情報として記録されません。そのため、将来の融資審査に影響を与えることなく資金調達が可能です。
法人の銀行融資まとめ
銀行融資は種類に応じて必要書類や審査基準が異なるため、自社の状況に合わせて最適な方法を選ぶ必要があります。また、銀行融資以外にも、ファクタリングや日本政策金融公庫など、代替となる資金調達手段も検討してみましょう。
ファクタリングを検討しているなら、「Payなび」がおすすめです。Payなびなら、複数のファクタリング会社に一括で申し込めるほか、手数料の比較検討が可能です。
最短30分での審査完了、60分での資金化に対応しているため、急な資金需要にも対応できます。必要書類も2点だけと少なく、赤字企業や債務超過企業でも利用できるのが特徴です。
以下のような事業者の方におすすめです。
- 早急な資金調達が必要
- 銀行融資の審査が不安
- 手数料を比較検討したい
- 事務手続きの手間を省きたい
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