2023.01.25

経済産業省がファクタリングを推奨する理由とは?

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    「売掛債権の利用促進は国の施策」と中小企業庁がアピール!

    請求書(売掛債権)を買い取ってもらって、支払い期日の前に現金を調達できるのがファクタリングと呼ばれるサービスです。融資のように返済義務がなく、スピーディーに資金繰りを改善できることには関心があるものの、それでも利用をためらっているという人もいることでしょう。

    しかし、経済産業省中小企業庁はホームページ上でこう訴えかけています。

    「売掛債権の利用について、売掛先(取引先)等から資金繰りが厳しいのかと言われ、利用により風評被害が発生することが心配、との声が聞かれます。売掛債権の利用促進は国の施策です。本制度の普及、利用促進にご協力下さい」
    https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/urikake_panhu2.htm

    今回は、経済産業省中小企業庁がファクタリングをはじめとする「売掛債権」を活用した資金調達を推奨している背景について解説します。

    融資に対する依存度が非常に高かった中小企業の資金調達

    コロナ感染拡大の第一波が到来し、もっぱら世間の関心はそちらへ向けられていましたが、実は2020年4月1日に民法の債権法が改正され、譲渡制限特約などといった制限が撤廃されました。これは、中小企業や個人事業主に対し、融資以外の手段でも資金を調達しやすくなる環境を整えたいという経済産業省の意向を踏まえたものです。

    この法改正に伴い、「売掛債権」を活用するファクタリングなど、融資以外の方法にも資金調達の選択肢が拡大しました。経済産業省はこうした施策を進めた背景には、中小企業の資金調達が銀行からの融資に著しく依存していたことがあります。

    社債の発行や増資(新規の株式発行)など、大企業には様々な資金調達手段があるのと比べれば、中小企業の場合はかなり限られています。しかも、日本の商習慣ではつねに売掛金や買掛金が発生する「後払い」の取引が中心です。

    商品やサービスを販売してもその代金をすぐには受け取れず、売掛金の回収に先駆けて買掛金を支払う必要に迫られるケースも少なくありませんでした。その結果として資金繰りが悪化し、メインバンクから追加の融資を受けるといったパターンが繰り返されてきた可能性が考えられます。

    一方で、これまで金融機関が中小企業向けに行ってきた融資の多くは、不動産を担保とすることを前提としたものでした。その担保価値は不動産市場の推移次第で変動しますし、めぼしい資産を保有していない企業は資金調達に苦労していたのが実情だったのです。

    中小企業庁は「売掛債権担保融資保証制度」も創設

    先に述べたように、こうした情勢を踏まえて法改正が実施されるとともに、経済産業省中小企業庁は「売掛債権担保融資保証制度」を創設しています。その結果、「売掛債権」を担保とする中小企業の借入を信用保証協会から保証してもらうことが可能となりました。

    そして、法改正によって認められるようになったのが「譲渡制限特約付き債権」の譲渡です。債権譲渡を禁止する特約が付けられた契約であっても、譲渡できるようになりました。

    さらに、中小企業が大手企業の下請けとなるケースが多いことから、業務委託に関する基本契約を結ぶ際に、次のような趣旨の事項を盛り込むことが「努力義務」として定められました。

    ・「売掛債権」の譲渡を阻害せず、円滑に進むようにすること
    ・「債権譲渡禁止特約」解除の申し出があった場合はその意向を尊重すること
    ・下請事業者から要請があれば、債権譲渡を適切に承諾するように努めること

    中小の下請事業者は元請けである大手に気兼ねしたり、冒頭でも触れた風評被害を気にしたりして、「売掛債権」を売却して資金を調達したくても踏み切れないというケースが多々存在しました。上記のような「努力義務」を通じて、元請けからの無言のプレッシャーを緩和させることを狙っているようです。

    「売掛債権」を活用した資金調達方法は主に2つある

    こうして国が推奨する「売掛債権」を活用した資金調達方法について、ここでおさらいしておきましょう。主に国内では、ABL(アセット・ベースト・レンディング:売掛債権担保融資)とファクタリングという2つの選択肢が用意されています。

    ABLとは、「売掛債権」を担保にして受けられる融資です。その他、在庫や機械・設備なども担保に充てられます。

    一方、ファクタリングは冒頭でも述べたように、「売掛債権」をファクタリング会社に売却して現金化するという資金調達方法です。融資のように負債比率を高めてバランスシート(B/S:貸借対照表)を悪化させることもなく、審査も迅速なので、中小企業や個人事業主の短期的な資金調達にはぴったりの手段だと言えるでしょう。

    また、どうしても風評被害が気になるという場合には、「2社(者)間ファクタリング」と呼ばれるサービスも利用できます。売掛先から承認を得ることなく、サービスの利用者(債権者)とファクタリング会社の間で進められるもので、契約に反することがない限り、原則として「売掛債権」の売却を知られることはありません。

    まとめ:経済産業省が推奨するファクタリングの積極的な活用を!

    国内の全企業において9割超を占める中小の間では、銀行融資による資金調達が中心となっています。不動産などの担保を持っていなかったり、赤字で苦しんでいたりする場合は、資を受けられず、資金繰りに窮しているのが実情です。

    そこで、経済産業省は中小企業や個人事業主の資金調達手段を拡充すべく、「売掛債権」を現金化するファクタリングの活用を推奨しているわけです。融資のような返済義務がなく、スピーディーに資金を調達できるファクタリングが国内でもさらに普及していく可能性は高そうです。

    この記事を書いた人

    Payなび運営チーム

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