2023.01.16

ファクタリングの手続きでよく出てくるノンリコース(償還請求権なし)とは?

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    そもそもリコース(償還請求権)とは何を意味する?

    支払い期日前の請求書(売掛債権)を売却して現金化できるのがファクタリングです。そのサービス内容に関する説明を読んでいると、ノンリコース(償還請求権なし)という言葉がよく出てきます。

    専門用語なので意味がよくわらかない人も多いかと思われますが、きちんと理解したうえで契約を結ばないと、トラブルの火種にもなりかねません。その意味やメリット、注意点について、わかりやすく解説しましょう。

    まず、リコースは手形や小切手などの「償還請求権」のことを意味する専門用語です。この「償還請求権」とは、買い取った金銭債権の資金回収が債務者の不払いなどによって不可能だった場合に、その償還(金銭の支払い)を同債権の売却者に求められる権利のことを意味しています。

    もう少し詳しく説明すると、かつて「償還請求権」は「遡求権」とも呼ばれ、主に手形取引において用いられてきた用語でした。発行者が支払いに窮して手形が不渡りになると銀行などの譲受人が資金を回収できなくなるため、手形の譲渡者も遡って買い戻し(支払い)を求めることを認めた権利のことです。

    ノンリコースとウィズリコースとの違いとは?利用者にはどっちが有利?

    ファクタリングの世界でもよく見かけるノンリコースとは、「償還請求権」のない契約のことを意味しています。ノンリコースの場合、契約が結ばれると「売掛債権」は完全に譲渡され、その買い取りに応じたファクタリング会社の所有物になります。

    その結果、売掛先が所定の支払期日に代金を支払わなかった場合も、ファクタリングの利用者(売掛債権の売却者)が代わりに返金の責任を負うことはありません。つまり、回収不能による損失はファクタリング会社が負担することになるのがノンリコースです。

    これに対し、逆に「償還請求権」のある契約のことをウィズリコースと呼んでいます。この契約を結んでいると、売掛先が支払期日に代金を支払わなかった場合、ファクタリング会社は利用者に譲渡した「売掛債権」の買い戻しを請求できます。

    当然ながら、ウィズリコースのほうがファクタリングの利用者が負うリスクが高くなってきます。ただ、国内のファクタリングにおいてはノンリコースが主流を占めており、ウィズリコースは少数派となっているのが実情です。

    ファクタリング会社にとっては、ノンリコースよりもウィズリコースのほうが資金回収不能となるリスクを軽減できます。にもかかわらず、ノンリコースが大勢を占めているのはなぜなのでしょうか?

    ウィズリコースのファクタリングは貸金業に該当する可能性大

    ノンリコースよりも資金回収不能となるリスクが低いのにウィズリコースのファクタリングがマイナーな存在となっていることには、法的な解釈が関係しています。ウィズリコースのファクタリングは、単なる「売掛金」の買い取りではなく、関係当局から「実質的には融資の色彩が濃く、貸金業に該当する」と判断される可能性が高いのです。

    貸金業とみなされると、金融庁への貸金業登録を行う必要が生じ、純資産額5000万円以上、資格を取得した貸金業務取扱責任者の配置などといった条件をクリアしなければなりません。しかも、利息制限法や貸金業法、出資法も適用され、設定できる手数料にも上限が出てきます。

    その点、ノンリコースのファクタリングは純粋な「売掛金」の買い取りであると法的にも解釈され、その場合は免許や登録も一切不要となります。こうしたことから、多くのファクタリング会社はノンリコースを採用しているわけです。

    ウィズリコースのファクタリングは違法業者の可能性も!?

    もちろん、きちんと金融庁の貸金業登録を受けて法律を遵守していれば、ウィズリコースのファクタリングでも問題は発生しません。しかしながら、厳しい縛りの中で手数料にまで上限が定められていると、かなりの規模でサービスを提供していなければなかなか採算が合わないのが現実でしょう。

    規模が伴っていないにもかかわらず、ウィズリコースのファクタリングサービスを取り扱っているとしたら、違法業者である可能性が高いと言えそうです。貸金業登録を受けずに法律で定めた制限も無視し、法外な利息の融資(ウィズリコースのファクタリング)を行っているというのがその実態です。

    現に、金融庁もそういった違法業者が混在していることについて注意喚起を行っています。同庁が「ファクタリングを装ったヤミ金業者」と表現していることからも、その危うさを想像できるでしょう。

    売掛先が不払いでも責任が及ばないのは大きな安心材料

    資金回収不能となるリスクを踏まえて、ノンリコースのファクタリングはウィズリコース(正当な業者が取り扱っているもの)よりも手数料設定が高めになっているのも確かです。とはいえ、売掛先が支払いに応じないような事態が発生しても、その責任が及ばないことはファクタリングの利用者にとって大きな安心材料となるでしょう。

    まとめ:違法業者のワナにかからないためにも、ノンリコースを選ぶのが基本!

    ノンリコースは「償還請求権なし」の契約を意味し、経営難などで売掛先が支払いを拒んでも、ファクタリングの利用者がその責任を代わりに負うことはありません。対照的にウィズリコースは「償還請求権あり」の契約で、売掛先からの回収が不可能な場合はファクタリングの利用者に対し、「売掛債権」の買い戻しが求められます。

    そのうえ、金融庁いわく、「ファクタリングを装ったヤミ金業者」がウィズリコースと称した暴利の融資を行っているケースも存在しています。ファクタリングを利用する際には、ノンリコースを選ぶのが基本だと言えるでしょう。

    この記事を書いた人

    Payなび運営チーム

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