銀行系ファクタリングとは?メリットや注意点、利用が向いているケースを紹介
目次
CLOSEファクタリングは、企業が保有する売掛債権を活用したサービスであり、提供会社によってさまざまなファクタリングが提供されています。銀行およびそのグループ会社が提供する銀行系ファクタリングは信頼性が高く、手数料が比較的安いことが特徴です。しかし、審査が厳しく、資金調達まで時間がかかることもあります。
当記事では銀行系ファクタリングに関して、メリットや注意点、利用が向いているケース、おすすめの会社を紹介します。
銀行系ファクタリングとは
銀行系ファクタリングとは銀行およびそのグループ会社が取り扱っているファクタリングです。メガバンクや規模の大きい地方銀行などの金融機関が運営していて、通常のファクタリングと比較して手数料が低く、会社の信用度が高いのが特徴です。
銀行系ファクタリングとファクタリング会社のファクタリングサービスの違い
なお、銀行系ではない、ファクタリングを専門としている会社、いわゆる独立系のファクタリングもあります。銀行系ファクタリングと独立系ファクタリングの違いを、以下にまとめました。
種類 | 銀行系 | 独立系 |
---|---|---|
親会社 | 銀行 | なし |
取り扱っている ファクタリングの種類 | 買取型(3社間のみ)、保証型、 国際ファクタリング、一括ファクタリング | 買取型(2社間・3社間) |
手数料 | 1%〜5% | 1%〜20% |
買取金額 | 数百万円〜数億円 | 数十万円〜数百万円 |
入金スピード | 1週間〜3週間 | 最短即日 |
審査の難易度 | 高い | 低い |
銀行系ファクタリングで提供されているサービスの種類
ここでは、銀行系ファクタリングで提供されているサービスの種類を紹介します。
⇒ファクタリングの種類と仕組み|利用する前に知っておくべき注意点も解説
買取型ファクタリング
買取型ファクタリングは、企業が保有している売掛金をファクタリング会社に買い取ってもらうことで、資金調達する方法です。一般的にいわれるファクタリングはこの取引を指します。
買取型ファクタリングは、さらに2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの2つの契約形態に分けられます。2社間ファクタリングは、利用者とファクタリング会社で締結される取引形態です。3社間ファクタリングは売掛先も加わり、3社で行われます。
なお、銀行系ファクタリングで取り扱っているのは、3社間ファクタリングのみです。
保証型ファクタリング
保証型ファクタリングは、未回収の売掛金の貸倒れリスクを保証するサービスです。売掛先が倒産などの理由で支払い不能になった場合に、売掛金の相当額が保証されます。保証型ファクタリングはコストとして保証料を払いますが、買取型ファクタリングの手数料と比較すると低めです。
資金調達の必要はないが、取引先の貸倒れリスクに備えたい場合に活用したいファクタリングといえます。
国際ファクタリング
国際ファクタリングは、貿易事業者向けに提供されているファクタリングです。海外の企業が売掛金を期日通り支払ってくれるとは限らないため、売掛金を確実に回収するために活用されています。利用者・銀行・売掛先・売掛先の国のファクタリング会社の4社で締結するのも特徴です。
一括ファクタリング
一括ファクタリングは買取型ファクタリングの一種であり、複数の売掛金を金融機関がまとめて買い取るファクタリングです。ただし、主体者が利用者ではなく、売掛先となっています。そのため、売掛先がファクタリング会社と契約する必要があります。
一括ファクタリングを提供する金融機関は、メガバンクなどの大手銀行系のみであり、信頼性が高く安心して利用できるのがメリットです。
銀行系ファクタリング利用のメリット
銀行系ファクタリング利用のメリットは以下の4つです。
- 大口債権に対応している
- 手数料が比較的安い傾向にある
- 信頼性が高く安心感がある
- 幅広いファクタリングに対応している
それぞれのメリットについて見ていきましょう。
大口の売掛債権に対応している
銀行系ファクタリングは、資金力のある銀行およびそのグループ会社が取り扱っているため、数百万円から数億円の大口債権にも対応しています。銀行系ファクタリングを活用すれば、多額の資金調達が可能です。
手数料が比較的安い傾向にある
銀行系ファクタリングは、手数料が比較的安い傾向にあります。預金業務を行っている銀行は資金力があり、低い手数料での提供を可能としているのです。
ファクタリング会社が取り扱っているファクタリングの手数料相場は、1%〜20%と幅広いですが、銀行系ファクタリングは1%〜5%程度が相場です。
信頼性が高く安心感がある
信頼性が高く安心感がある点も、銀行ファクタリングの利点です。ファクタリングは登場してからまだ日が浅い資金調達方法であり、法整備があまり整っていないことから、利用に不安を感じる人はいるかと思います。
銀行およびそのグループ会社が運営しているという事実は、利用者にとって大きな安心材料となるでしょう。
幅広い種類のファクタリングを利用できる
銀行系ファクタリングは、幅広い種類のファクタリングを提供しています。一般的なファクタリング会社で利用できるのは買取型ファクタリングのみです。
対して銀行系ファクタリングは、買取型ファクタリングはもちろん、保証型ファクタリング、国際ファクタリング、一括ファクタリングなども利用可能です。自社の状況やニーズにあったファクタリングを選べます。
銀行系ファクタリング利用の注意点
銀行系ファクタリングですが、注意点もあります。銀行系ファクタリングの注意点は、以下の3つです。
- 審査は比較的厳しい傾向にある
- 審査に時間がかかる
- 2社間ファクタリングに対応していない
それぞれの注意点を把握し、利用を検討しましょう。
審査は比較的厳しい傾向にある
銀行系ファクタリングの審査は比較的厳しい傾向にあります。ファクタリング会社が取り扱っているファクタリングは、取引先の信用力を重要視するため、赤字経営の企業でも利用できる可能性が高いです。
対して銀行系ファクタリングは、取引先の信用力だけでなく、利用者の経営状況や財務状態などを総合的にチェックするため、創業したばかりの企業や赤字経営の企業は審査に落ちるリスクが高いです。
信頼性が高く手数料が比較的安いというメリットがありますが、その反面、審査基準が高く設定されている点は注意しましょう。
申込から審査、入金までに時間がかかる
審査に時間がかかるのもデメリットといえるでしょう。銀行系ファクタリングは売掛先が取引に加わることから、その分、書類や手続きにかかる時間が増えます。加えて審査は厳しいことから、申込から審査、入金まで1〜3週間程度でかかると考えておいたほうがいいでしょう。
急ぎで資金を調達したい企業にとっては、審査期間の長さが資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。この点を理解し資金調達までスケジュールを立てることが重要です。
2社間ファクタリングを取り扱っていない
銀行系ファクタリングは、基本的に2社間ファクタリングを取り扱っていません。2社間ファクタリングは、仮に売掛金が回収できなくなった場合でも、利用者が弁済する必要がなく、ファクタリング会社にとって貸し倒れリスクが高いのです。そういった理由から、銀行系ファクタリングは3社間ファクタリングしか取り扱っていません。
売掛先に知られることなく、売掛債権を売却したい場合は、銀行系ファクタリングは適していない可能性があります。
なお、独立系ファクタリング会社は2社間ファクタリングを取り扱っています。手数料は高い傾向にありますが、最短即日ので資金調達が可能です。
2社間ファクタリングについて詳しく知りたい方は、「2社間ファクタリングとは?違法性や3社間ファクタリングとの違い、利用するメリットを解説」をチェックしてみてください。
ファクタリングの利用情報が銀行データに登録される
通常、ファクタリングは融資ではなく、債権の売買取引であるため、信用情報に記録が残りません。
しかし銀行系ファクタリングは、ファクタリングを利用すると利用情報が銀行のデータベースに記録されます。短期的な利用は問題ありませんが、長期的かつ頻度の高い利用は「資金繰りが悪化しているのでは?」と懸念を持たれ、将来に銀行融資を検討する際に影響を及ぼす可能性があります。
銀行系ファクタリングでの資金調達が向いているケース
ここでは、銀行系ファクタリングでの資金調達が向いているケースを紹介します。
大口の売掛債権を所有している
大口の売掛債権を所有している場合は、銀行系ファクタリングが向いています。
例えば、建設業は大型案件であれば利益は大きいものの、代金が入金されるのは工事完了後であり、1ヶ月後から2ヶ月後です。しかし、材料費や人件費を先払いしなくてならず、資金繰りが悪化するケースも少なくありません。大型案件であればあるほど、コスト負担もさらに大きくなるでしょう。
銀行系ファクタリングは数億円の大口債権に対応しており、請け負った工事の売掛債権を現金化することが可能です。現金化した売掛債権を初期投資に充てられます。
また、信頼性の高い銀行が運営していることから、安心して売掛債権を譲渡できるのも、銀行系ファクタリングならではメリットです。資金繰りに困っていて、大口債権を所有している場合は、銀行系ファクタリングを活用してみてもいいかもしれません。
売掛先にファクタリングの利用を知られても問題ない
売掛先にファクタリングの利用を知られても問題ない場合も、銀行系ファクタリングの利用が適しています。銀行系ファクタリングは3社間ファクタリングが一般的であり、売掛先にファクタリングの利用を通知する必要があります。
ファクタリングの利用を知られると、売掛先との今後の取引に影響を及ぼす可能性があります。ファクタリングの利用を知られたくないがゆえに、銀行系ファクタリングを活用しない利用者も一定数いるでしょう。
ファクタリングについて理解がある、取引歴が長く信頼関係を築いているなど、ファクタリングの利用が知られても問題ない売掛先であれば、銀行系ファクタリングを活用することをおすすめします。
手数料を抑えたい
手数料を抑えたい場合も、銀行系ファクタリングの資金調達が適しているでしょう。独立系ファクタリングの手数料が1%〜20%であるのに対して、銀行系ファクタリングの手数料は1%〜5%程度です。
ファクタリングでは、手数料を差し引いた金額を受け取るため、なるべく多くの資金を調達するには、手数料の低さが重要です。
銀行系以外のファクタリングサービスが向いているケース
銀行系ファクタリングは、様々なメリットがありますが、独立系のファクタリングが向いている場合もあります。それは、急な資金繰りが発生した場合です。銀行系ファクタリングは申込から入金まで早くても一週間はかかってしまいます。そのため、急な資金繰りに対応しにくいのです。
対して、独立系のファクタリング会社が取り扱っているファクタリングは、入金まで2〜3日程で完了する会社が多く、即日入金にも対応しています。
独立系ファクタリングの利用を検討している方は、「即日入金可能なファクタリングサービス5選|メリットや注意点、選び方のポイントを紹介」も参考にしてみてください。
おすすめの銀行系ファクタリングサービス3選
ここでは、おすすめの銀行系ファクタリングサービスをピックアップして紹介します。
みずほファクター
取扱っている ファクタリングの種類 | 3社間ファクタリング、国際ファクタリング、 保証型ファクタリング、一括ファクタリング |
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運営会社 | みずほファクター株式会社 |
みずほファクター株式会社は、みずほファイナンスグループの1つで、みずほ銀行の子会社です。大手銀行としての信頼性もさることながら、3社間ファクタリングや保証型ファクタリング、国際ファクタリングなど幅広いファクタリングサービスを提供しています。
また、みずほファクターの回収保証サービスでは、売掛債権の保証限度額内で最大100%保証してくれます。
SMBCファイナンスサービス
取扱っている ファクタリングの種類 | 保証型ファクタリング、国際ファクタリング |
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運営会社 | SMBCファイナンスサービス |
SMBCファイナンスサービスは、三井住友ファイナンシャルグループの1つで、ファクタリング業務の他、クレジットカード業務、代金回収業務なども行っています。
SMBCファイナンスサービスが取り扱っているファクタリングは、保証型ファクタリングや国際ファクタリングだけでなく、建設債権保証、下請債権保全支援事業などサービスが豊富です。
三菱UFJファクター
取扱っている ファクタリングの種類 | 保証型ファクタリング、国際ファクタリング |
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運営会社 | 三菱UFJファクター |
三菱UFJファクターは、三菱UFJ銀行の子会社です。業歴は50年を超えており、信頼と実績のあるファクタリング会社です。
三菱UFKファクターでは、根保証という保証型ファクタリングを提供しています。万が一売掛先が倒産し、債権が回収不能となった場合は、売掛債権の保証限度額の範囲内で100%保証してくれます。
まとめ
銀行系ファクタリングは、銀行およびグループ会社が取り扱っているファクタリングで、低い手数料と高い信頼性に定評があります。
なお、銀行系ファクタリングが利用できない場合や、即日で資金調達したい場合は、独立系ファクタリングを利用するのもおすすめです。独立系ファクタリングは、銀行系ファクタリングと比べると審査基準が易しく、赤字経営の企業でも利用できます。
各ファクタリング会社によって手数料や入金スピード、買取金額が異なるため、自社に合ったファクタリングを選ぶことが大切です。
「Payなび」では、複数のファクタリング会社に一括申請を行い、手数料などの条件を見て自社にあったファクタリング会社を選ぶことが可能です。アカウントを登録すれば無料で利用できるので、ぜひ活用してみてください。