2023.01.06

資金繰りの悪化を招く4つの原因とは?

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    そもそも資金繰りの悪化とは、どのような状態のことを意味する?

    資金繰りとは、お金の出入りをきちんとモニタリングし、不足が生じないようにコントロールを図ることです。資金繰りの悪化とは、コントロールが難しくなっている状態を意味しています。

    もっと具体的に言えば、目の前で予定されている出費に見合った資金が手元に揃っていないようなケースを指しています。そして、経営における資金とは、現金や当座預金、普通預金などいったように、すぐさま支払いに充当できる状態のお金のことです。

    借入金の返済や買掛金の支払いが滞ると事業の継続が難しくなり、最悪の場合は倒産に追い込まれてしまいます。では、資金繰りが悪化する原因としては、どのようなものが考えられるのでしょうか?

    赤字が続ければ、おのずと資金繰りも悪化していく

    資金繰りの悪化要因としてまず挙げられるのは、継続的な赤字の計上です。赤字とは、欠陥期間中に本業で獲得した売上よりも支払った費用のほうが多くなり、損失が発生している状態を意味しています。

    一時的な赤字にとどまれば、すぐさま資金不足につながる可能性はさほど高くないでしょう。しかし、赤字決算が度重なれば資金の流出が続き、穴埋めのために借入金が増えるというパターンが考えられます。その返済の分だけ支払いも負担も重くなり、いっそう資金繰りが苦しくなるという悪循環に陥りかねません。

    赤字続きがもたらす資金繰りの悪化から抜け出すための最善策は、正面から本業の立て直しに取り組むことです。そのうえで、手元資金の不足を補うための策として、安易に借入には依存しないことも重要となってきます。

    一般的には、「返済額>減価償却費+税引後純利益」になると資金繰りが悪化すると言われています。すでに返済負担が重くて資金繰りに苦しんでいる場合は、金融機関と交渉して返済計画の見直しを行うのが賢明です。

    設備投資や有価証券・不動産などへの投資が原因となることも!

    売上が急減して赤字に転落した場合だけでなく、逆に急増している場合でも資金繰りが苦しくなることがあります。事業の拡大を図り、大掛かりな先行投資を行った直後によく見られる現象です。

    攻めの経営が奏功して前期比で売上は伸びているものの、投資に充てた費用負担が重く、まだ収穫(利益の拡大)には結びついていないためです。先行投資が適切なものであればやがて利益も伴ってくるでしょうが、継続的な売上拡大をもたらさない場合は、さらに資金繰りが悪化する可能性も考えられます。

    期待通りの成果が得られていない設備や機器などへの投資はもちろん、資産運用の一環で有価証券や不動産などへ投資しているケースにおいても、判断を誤ると資金繰りの悪化を招く恐れがあります。下手をすれば本業の利益を食いつぶしてしまうことも考えられ、期待できる収益性や投資額などについて精査することが重要です。

    貸し倒れや、回収に時間がかかる売掛金も資金繰りの悪化に!

    取引先の経営が行き詰まるなどの理由から、売掛金を回収できなくなるケースも考えられます。いわゆる貸倒れで、すでに商品やサービスを提供済みであるにもかかわらず、その代金を受け取れなければ、コストを負担しただけの結果になり、その分だけ手元の資金は減ってしまいます。

    貸し倒れが発生しなくても、回収までの期間が相対的に長い売掛金を抱えていると、資金繰りの悪化に結びつくことがあります。買掛金の支払いや借入金の返済が毎月発生する一方で、売掛金は数カ月おきのタイミングでしか入金されないようなパターンです。

    そうなると、売掛金も売上として計上する損益計算書(P/L)では黒字決算となっているにもかかわらず、実際には手元資金が不足気味で、支払いや返済に苦労しかねません。下手をすれば「黒字倒産」にもつながりうるので、もっと回収サイクルが短い取引からの受注を拡大させる取り組みが求められます。

    資金繰りという観点に立った場合、「売上の増加ピッチ>売掛金の増加ピッチ」という関係を保っている状態が健全だと言えます。逆に売上よりも売掛金の増加ピッチのほうが勝っている場合は、未回収分のウエートが高まっていることを意味しています。

    過剰在庫や不釣り合いな役員報酬、株主配当も要因に

    想定よりも販売が振るわず、長期間に渡って過剰な在庫を抱えることがあります。在庫のままでは、製造や仕入れなどに要したコスト分を回収できていません。

    いわゆる「不良在庫」であり、そのままの状態が続くと保管のためのコストもかさんでしまい、資金繰りが悪化する一因となります。こうした事態を防ぐためにも、在庫の推移を踏まえて税増や仕入を調整することが重要です。

    他にも、事業で得られている利益の水準に不釣り合いな高額の役員報酬や、株主に対する配当の支払いも、資金繰りの悪化を招く要因となりえます。特にオーナー一族による経営において見られがちなことですが、資金繰りに窮しては本末転倒なので、業績に応じて役員報酬などの見直しを勧めるのが肝要でしょう。

    まとめ:過剰在庫

    以上見てきたように、様々な要因が資金繰りの悪化をもたらします。その兆候をいち早く察知するためには、キャッシュ(現金・預金)の推移を絶えずチェックしておくことが不可欠です。

    キャッシュが減少する主な要因としては、①利益の減少(赤字転落)、②売掛金の増加、③在庫の増加、④利益水準に不釣り合いな役員報酬などの負担などが挙げられます。一方で、売掛金の回収サイクルは買掛金の支払いサイクルよりも長くなっているケースが主流です。

    買掛金をはじめとする支出のスケジュールをきちんと把握し、つねに十分な手元資金を用意できる計画性が求められてきます。支払いに充てる資金の調達に当たっては、期日前に売掛金を現金化できるファクタリングも視野に入ってくるでしょう。

    この記事を書いた人

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