【法人向け】資金調達とは?企業が活用できる具体的な13の資金調達方法を紹介
目次
CLOSE法人にとって、事業の成長や存続に不可欠な資金調達ですが、ただ闇雲に資金を集めればいいわけではありません。事業の状況や目的に合わせて、適切な方法を選択する必要があります。
本記事では、法人が利用できる13の資金調達方法と、効果的に資金を集めるためのポイントを紹介します。「資金調達の方法はどれを選べばいいの?」と悩んでいる経営者や財務担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
そもそも資金調達とは
資金調達とは、企業が事業活動に必要な資金を外部から調達することです。
資金調達は企業の成長や存続に不可欠であり、新規事業の立ち上げ、設備投資、運転資金など、さまざまな目的で行われます。資金調達の方法は多岐にわたり、企業の規模や業種、財務状況によって最適な手段が異なります。
資金調達の4つの種類
資金調達には複数の方法がありますが、大きく以下の4つの種類に分類されます。
- デットファイナンス:借入れによる資金調達
- エクイティファイナンス:株式発行やクラウドファンディングなどによる資金調達
- アセットファイナンス:保有資産を活用した資金調達
- その他:補助金など
これらの方法にはそれぞれメリットとデメリットがあり、企業の規模や成長段階、財務状況などによって利用する資金調達方法が変わってきます。それぞれの特徴や仕組みを理解し、自社の状況に合わせて選ぶことが大切です。
法人で資金調達が必要になるケース
法人が資金調達を必要とするケースは多岐にわたります。例えば、以下のようなケースが挙げられるでしょう。
- 事業拡大のための設備投資や新規事業の立ち上げ
- 季節変動による一時的な資金不足の補填
- 突発的な支出への対応
企業経営を続けていけば、自ずと資金が必要になるシーンが出てきます。自社の状況や事業展開を踏まえて、資金調達方法を検討しましょう。
また緊急で資金が必要な場合もあるので、万が一のため即日で利用できる融資などの資金調達方法を知っておくことも大切です。以下の章で詳しく紹介しているのでぜひチェックしてみてください。
デットファイナンスによる法人の資金調達6選
ここでは、デットファイナンスによる法人の資金調達を6つ紹介します。即日で資金調達する4つの方法 | メリット・デメリットや利用時のポイントを解説
1.銀行の融資
銀行融資は、代表的な資金調達方法の一つです。信用力のある企業向けで、低金利で大口の資金調達が可能です。
ただし、担保や保証人が必要な場合が多く、審査も厳しめです。事業計画書をもとに、担当者に事業の必要性や成長性をアピールしていく必要があります。
2.信用保証協会の保証付き融資
信用保証協会の保証付き融資は、信用保証協会が保証人となることで企業の信用力を補完する制度です。
担保や個人保証が不足する中小企業でも、信用保証協会が債務を保証することで金融機関からの融資が受けやすくなります。通常の融資に比べて金利が低く、長期の返済期間を設定できる点も特徴です。
ただし、信用保証料が別途かかります。また返済が困難になった場合、信用保証協会が弁済してくれますが、返済がなくなるわけでない点に注意しましょう。
3.日本政策金融公庫の融資
日本政策金融公庫は、中小企業や創業間もない企業向けの融資を行う政府系金融機関です。民間金融機関より融資を受けにくい企業でも利用しやすく、金利も低めです。
創業融資や新事業支援など、目的別の融資メニューが豊富なのが特徴です。また経営計画の作成サポートなど、融資以外の支援も受けられます。
4.地方自治体の制度融資
地方自治体が行う制度融資は、自治体と民間の銀行、信用保証協会の3機関で行われる融資です。地域や業種によって条件が異なりますが、一般的に低金利で利用しやすいです。
信用保証協会の保証により、貸倒リスクが低減されるため、銀行だけで行うプロパー融資より審査が通りやすくなっています。
5.ビジネスローン
ビジネスローンは、迅速に資金調達ができる方法です。担保や保証人を用意する必要がなく、審査に通りやすいのが特徴です。
最短即日で利用できるものもあり、緊急で資金が必要なときにおすすめの資金調達方法といえます。
ただし上限金利は18%前後と高めです。借りすぎると返済負担が大きくなるため注意しましょう。
6.社債発行
社債発行は、信用力のある中堅・大企業が利用する資金調達方法で、債権を発行することで、投資家から資金を借ります。企業は利息を定期的に支払い、満期時に元本を返済する流れです。
メリットとしては、大規模な資金調達が可能であることや、銀行融資と比較して資金使途の自由度が高いことが挙げられます。
ただし、発行には手続きと一定の費用がかかります。さらに、社債を購入してくる人がいないと資金を調達できません。そのため、十分な業績がないと買い手を見つけるのが難しくなります。
エクイティファイナンスによる法人の資金調達4選
ここでは、エクイティファイナンスによる法人の資金調達を4つ紹介します。
1.VC(ベンチャーキャピタル)
ベンチャーキャピタル(VC)は、成長性の高いスタートアップ企業に投資を行う会社です。VCは投資を希望する会社に資金を提供し、その対価として株式の一部を受け取ります。
そして、投資先の会社が上場したタイミングで株式を売却して、利益を得る仕組みです。VCは規模が大きく、返済不要の多額の資金を調達できる点がメリットです。
ただし、早期に結果を出すために経営に介入してくることもあります。また成果がでないと判断されてしまうと、投資を打ち切られてしまうこともあります。
2.エンジェル投資家
エンジェル投資家は、個人で投資を行う投資家を指します。VCと似ていますが、VCは利益を軸に投資を行うのに対し、エンジェル投資家は自身の経験や興味に基づいて投資を行うことが多いです。
VCと比べると規模は小さく、出資額が少額なのが一般的です。とはいえ、エンジェル投資家は自身の判断で投資を決定できるため、意思決定が早く、起業家にとっては素早く資金を調達できる可能性があります。
3.クラウドファンディング
クラウドファンディングは、インターネットを通じて不特定多数の人から資金を集める方法です。クラウドファンディングは以下のような種類に分けられます。
- 購入型:見返りとして商品やサービスを提供する
- 寄付型:見返りを求めず、プロジェクトや活動を支援する目的で資金を募る
- 融資型:個人や企業に対して融資を行い、利息付きで返済を受ける
- 投資型:未上場企業の株式や社債を取得する形で投資を行う
融資のような審査はなく、アイデアや事業内容次第で資金を集められるのがメリットです。また、インターネットやSNSを通じて行っていくため、宣伝やマーケティングとしても効果的です。
ただし、目標金額に達しないと資金を得られないケースもあるため、プレゼン力と適切な金額設定が重要です。
4.株式発行
株式発行は、会社の所有権の一部を投資家に売却することで資金を調達する方法です。
非上場企業の場合は第三者割当増資、上場企業なら公募増資などの方法があります。社債と違って返済義務がなく、大規模な資金調達が可能です。
ただし自社の持ち株率が下がるため、経営権に影響する点に留意する必要があります。経営権を奪われ、会社の存続にかかわることにもなりかねないので、株式の発行は慎重に行いましょう。
アセットファイナンスによる法人の資金調達2選
ここでは、アセットファイナンスによる法人の資金調達を2つ紹介します。
1.ファクタリング
ファクタリングは、未回収の売掛金を早期に現金化する方法です。融資と異なり、企業の信用力ではなく売掛金の信用力で判断されるため、業歴の浅い企業でも利用しやすいのがメリットです。
ファクタリング会社によっては、手数料が高くなることもあるため、複数社の比較検討が必要です。
2.固定資産の売却
固定資産の売却は、企業が保有する不動産や設備などを売却して資金を得る、アセットファイナンスの手法です。
事業で使っていない設備や在庫品は、保有し続けるとコストがかかるだけでなく、経営効率を下げかねません。
これらを売却することで、即時に資金を調達できるだけでなく、維持管理コストの削減にもつながります。資産の価値によっては多額の資金を調達することが可能です。
その他の法人の資金調達方法:補助金・助成金
補助金・助成金は、国や地方自治体、各種団体が特定の目的や事業に対して交付する資金です。返済不要なため、財務負担が少ないです。
随時新しい補助金・助成金が募集されています。自社の事業内容や計画に合致する制度がないかを定期的にチェックしておきましょう。
ただし、使途が限定されており、補助金の場合は審査で採択される必要があります。
法人規模別のおすすめの資金調達方法
法人の規模や事業ステージによって、活用できる資金調達方法は大きく異なります。ここでは法人の規模別におすすめの資金調達方法を紹介します。
中小企業向け
- 制度融資
- 日本政策金融公庫
- 信用保証協会の保証付き融資
- ビジネスローン
- 補助金・助成金
- クラウドファンディング
- ファクタリング
中小企業の場合、銀行融資や政策金融公庫からの借入れが主な資金調達手段となります。信用保証協会による保証付き融資や、地方自治体の制度融資も有効な選択肢です。また、ファクタリングや私募債発行、リースの活用など、事業規模や目的に応じた手法を組み合わせることで、安定的な資金調達が可能です。
スタートアップ・ベンチャー企業向け
- 日本政策金融公庫
- VC
- エンジェル投資家
- 制度融資
- 信用保証協会の保証付き融資
- 補助金・助成金
- クラウドファンディング
- ファクタリング
創業間もないスタートアップ・ベンチャー企業は、財務実績が少なく従来型の融資を受けにくい傾向にあります。そのため、ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家からの出資、クラウドファンディングなど、成長可能性を評価してもらう資金調達が中心となります。
ファクタリングなら赤字企業でも利用できる!
ファクタリングは、企業の財務状況に関係なく、保有する売掛債権を担保に資金調達できる方法です。銀行融資では審査が通りにくい赤字企業でも、取引先の信用力があれば利用が可能です。
また、ファクタリングは売掛債権の売却であるため融資とは異なり、負債として計上されず信用情報にも履歴が残りません。そのため、将来的に業績が改善し銀行融資を検討する際にも安心して資金を調達できます。
Payなびを活用することで、1回の申し込みで複数のファクタリング会社に審査を依頼できます。オンラインで完結するため手続きも簡単で、最短60分での資金調達も可能です。
法人が資金を集めるのためのポイント
ここでは、法人が効果的に資金を集めるためのポイントを紹介します。
資金調達の目的を明確にする
法人が資金を調達する際は、まず目的を明確にすることが重要です。単に「資金が必要」という漠然とした理由ではなく、具体的に何のために、いくら必要なのかを明確にしましょう。
例えば、設備投資、運転資金の確保、新規事業の立ち上げなど、目的によって最適な調達方法は異なります。また、明確な目的があることで、金融機関や投資家に対して説得力のある説明ができ、資金調達の成功率が高まります。
必要な金額を確認する
資金調達を行う前に、必要な金額を正確に把握することが重要です。運転資金であれば、売上や経費の推移から、どの程度の資金が必要になるのかを試算します。設備投資の場合は、購入費用に加えて、設置費用や運用費用なども考慮に入れましょう。
融資に関しては必要以上に借りすぎてしまうと、金利負担が重くなり、返済が資金繰りを圧迫する原因となります。しっかり試算して適切な金額を調達できる方法を検討しましょう。
他社にはない独自の強みをアピールする
融資や出資をしてもらうためには、他社にはない独自の強みをアピールすることが肝要です。特に新規性の高い事業や成長段階の企業の場合、この独自性が資金調達の成否を大きく左右します。
自社の技術力や市場での位置づけ、成長性、実績など、競合他社と差別化できる要素を明確にし、効果的にプレゼンテーションする必要があります。自社の強みを客観的に分析し、説得力のある形で訴求できるよう準備を入念に行いましょう。
自社の状況にあった資金調達方法を選ぶ
自社の状況に最も適した方法を選択することも、法人の資金調達の重要なポイントです。例えば、創業間もない企業なら、エンジェル投資家やクラウドファンディングが適しているかもしれません。
一方、安定した業績がある企業なら、銀行融資や社債発行が選択肢となるでしょう。また、資金調達の規模や緊急性、返済能力なども考慮に入れる必要があります。
事業内容や業況にあった資金調達を検討しましょう!
本記事では、法人が利用できる13種類の資金調達方法と、効果的に資金を集めるためのポイントを紹介しました。適切な資金調達は、企業の成長を加速させ、競争力を高める重要な要素となります。
しかし、資金調達方法を選ぶだけでは十分ではありません。自社の事業内容や業況を客観的に分析し、将来の成長戦略と照らし合わせながら最適な方法を選ぶことが重要です。
各調達方法のメリット・デメリットを十分に理解し、戦略的な資金調達を行っていきましょう。
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