2023.01.25

事業を営むうえで知っておきたい!「2:8の法則(パレートの法則)」とは?

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    世の中には「2:8の法則(パレートの法則)」と呼ばれるものが存在し、ビジネスの世界でも様々な分析に用いられているそうです。これは、いったいどのような法則性について説いたものなのでしょうか?

    たとえば、各取引先との関係にすぽっとを当てれば、資金繰りに関するリスクも"見える化"できるとか。今回は、この法則について解説にしましょう。

    全体の2割にすぎない要素が8割に及ぶインパクトを与えている

    「2:8の法則」とは、19世紀にイタリアの経済学者であるヴィルフレド・パレート氏が導き出した世の中における経験則です。「国富論」で知られるアダム・スミスにも影響を与えた人物で、様々な国々における国民所得の配分状況について調査し、いずれにおいても「人口の2割が富の8割を所有している」という法則性を発見しました。

    「ばらつきの法則」という別名もつけられており、経済活動や社会現象をはじめ、様々な方面にも通ずる経験則となっています。たとえばビジネスの世界なら、「全体の2割の顧客から得られる売上が全体の8割を占めている」というケースや、「ラインナップの2割にすぎない商品・サービスが売上の8割を稼ぎ出している:といったケースがよく見受けられるわけです。

    実際に自分が手掛けているビジネスでも「2:8の法則」が成立していたら、8割の売上を獲得している商品・サービスへ経営資源を集中させれば、大幅な利益成長を遂げられる可能性があります。「全体から見れば2割のウエートにすぎない要素が8割に及ぶインパクトを与えている」との観点からビジネス上の問題点について分析することで、効率的な解決が可能となります。

    2つのグラフを重ねた「パレート図」で解決の糸口が"見える化"

    「2:8の法則」に着目した分析は、2つのグラフを重ねた「パレート図」と呼ばれるものを用いて行います。たとえば、商品・サービス別の売上貢献度を分析するケースで考えてみましょう。

    まず、個々の商品・サービス別に売上を集計し、左から右へ多い順に並べた棒グラフを作成します。そして、個々の商品・サービスにおける累積構成比を折れ線グラフで描画すると、売上上位のものがどの程度のの構成比に達しているのかが一目瞭然となります。

    「パレート図」を用いた分析は、他にも様々な観点からのアプローチが可能です。顧客からのクレームにつながりやすいポイントや不良品発生の傾向など、ビジネスの足を引っ張っている課題の解決にも結び付けられます。

    「パレート図」に基づく分析は視覚に訴えかけるため、同じ組織の中でともに働いている複数の人間がその課題を共通認識として捉えられやすいことがメリットの一つです。全員が同じ方向へ動けば、それだけ課題の解決も進みやすいと言えるでしょう。

    「パレート図」を作成すれば、資金繰り面のリスクも再認識できる

    また、企業経営者や個人事業主は「パレート図」を通じて、資金繰り面に大きな影響を与えうるリスクも再認識できます。取引先別の売上高とそれぞれに累積構成比をグラフで示して“見える化”させると、どこにどれだけ依存しているのかが浮き彫りになります。

    仮に最得意先のA社だけで80%の売上を獲得していたとしたら、同社からの支払いが止まった時点で資金繰りは大幅に悪化するのは明白です。これまできちんと支払期日を守ってくれていたとしても、今後のことまで約束されているわけではありません。

    万一に備えて、A社の経営状況のことをモニタリングしておくことが求められてくるでしょう。支払いの遅延は発生しなかったとしても、受注や納期の時期が当初の見込みよりも延びることも考えられるので、他の取引先との関係を強化することも重要な課題となってきます。

    分析結果をもとに対策を講じた後、しばらくしてから改めて現在の状況を「パレート図」で示してみることも重要です。もしも、以前とさほど変わらない構図になっていたとしたら、改善策の効果があまりなかったことが判明します。

    変化があった場合も、次に手を打つべきポイントが何なのかが見えてくるはずです。ビジネス上の課題解決と言えば、PDCA(Plan:計画、Do:実行、Check:評価、Action:改善)を連想する人が多いでしょう。

    しかしながら、やみくもにこのサイクルを回しても、着実に改善が進むとは限りません。「パレート図」によって、改善すべきポイントを炙り出すことが重要なのです。

    「働きアリの法則」と呼ばれる類似の経験則も存在している

    なお、「2:8の法則」とよく似た経験則に、「働きアリの法則(2-6-2の法則)」と呼ばれるものがあります。アリの集団を「よく働く・普通に働く・働かない」に3つに分類すると、よく働くアリが全体の2割、普通に働くアリが6割、働かないアリが2割を占めているというものです。

    こちらの法則については、「自社の従業員たちにも似たようなことが言える」と痛感している経営者もいることでしょう。そして、「よく働く2割の人たちを10割まで増やせないものか?」と思うかもしれません。

    しかし、採用時に厳選して全従業員をよく働きアリでそろえられたとしても、やがてその中の6割は相対的に普通の働きぶりのアリになり、2割は相対的に見て役に立たないアリになっていくものです。一方で、よく働く2割のアリが疲れて動けなくなると、それまでサボってきていたアリが働き始めることもあるようです。

    まとめ:ビジネスで抱えている課題を"見える化"して課題に結びつけよう!

    「2:8の法則」に基づく「パレート図」を用いた分析は、課題を"見える化"できることが大きなメリットです。個々の取引先に対する売上面の依存状況についても、この手法によって客観的な分析が可能となります。

    ビジネスに関して何らかの課題意識を抱いているものの、具体的にどのような手を打てば解決につながるのかが見えてこないという人は、試しに「パレート図」による分析を行ってみてはいかがでしょうか?やみくもに頭を悩ませているよりも、状況を整理して課題を“見える化”することが大切です。

    この記事を書いた人

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