請求書カード払いとは|メリット・デメリットとおすすめサービス11選
目次
CLOSE取引先からの請求書をクレジットカードで行える請求書カード払い。請求書払いは銀行振込が一般的ですが、「請求書カード払い」を提供する会社に支払いを代行してもらうことで、クレジットカード払いに変更できます。
ここでは、請求書カード払いの基礎知識やメリット・デメリット、おすすめのサービスなどを解説します。請求書カード払いを検討している事業者の方はぜひ参考にしてみてください。
請求書カード払いとは
請求書カード払いとは、請求書の振込をクレジットカード決済に変更できるサービスです。取引先への支払いは、請求書カード払い会社が銀行振込で代行し、利用者は後日クレジットカードの引き落としで精算します。
請求書カード払いと請求書払いの違い
請求書払いは銀行振込での支払いが一般的で、取引時間内でしか決済できません。一方の請求書カード払いは、24時間いつでもクレジットカードで決済でき、支払期日の延長も可能です。
請求書カード払いとBtoBクレジットカード決済の違い
BtoBクレジットカード決済とは、企業間で行われるクレジットカードを使った決済方法です。請求書を発行する必要がありませんが、請求側の企業がカード会社と契約を結ばければいけません。手数料も請求側が負担します。
一方の請求書カード払いは、請求書を発行した企業がカード払いに対応していなくても、利用可能です。
請求書カード払いとファクタリングの違い
ファクタリングとは、企業がもつ売掛金などの売掛債権をファクタリング業者に売却して、早期に資金化するサービスです。ファクタリングは売掛金を前倒しで現金化することで、早期に資金調達することを目的としています。
対して請求書カード払いは、買掛金などの支払時期を遅らせることで、一時的な資金繰りの改善を図るサービスです。
両者は異なる目的のサービスですが、うまく使い分けることで効果的な資金繰り改善ができます。たとえば、売掛金の回収を早めたい場合はファクタリングを、支払いにゆとりが欲しい場合は請求書カード払いを利用するといった具合です。
請求書カード払いを活用する3つのメリット
ここでは、請求書カード払いを活用するメリットを3つ紹介します。
1.支払いを先延ばしにできる
請求書カード払いを活用すれば、支払いを最大60日程度延長することが可能です。通常の請求書払いでは支払期日が決まっていますが、クレジットカード決済にすることで支払いにゆとりができます。
仕入れや経費の支払いが重なる時期でも、資金繰りを改善できるため、キャッシュフローが安定します。
2.支払いを一元化できる
複数の取引先への支払いをクレジットカード1枚にまとめられるため、支払い管理が楽です。請求書に加えて経費などの支払いも同じカードで一括管理すれば、いつ、どの取引先に、いくら支払ったのかが一目で分かります。
3.ポイントやマイルがたまる
請求書カード払いではクレジットカードを使って支払うため、ポイントがたまるのもメリットです。一元化すれば、その分ポイントもまとめて貯めやすくなります。
たまったポイントを手数料の補填に充てたり、商品や旅行券、航空マイルに交換したりすることが可能です。
銀行融資やビジネスローンと比べて請求書カード払いがおすすめな理由
支払いを期日までに間に合わせるために、銀行融資やビジネスローンを検討する事業者もいるでしょう。しかし銀行融資やビジネスローンに比べて、請求書カード払いには独自のメリットがあります。その理由を具体的に見ていきましょう。
審査や面倒な手続きがなく素早く利用できる
銀行融資やビジネスローンでは、決算書や事業計画書の提出が必要で、審査に1ヶ月程度かかることがあります。
一方、請求書カード払いは審査が不要で、自社情報や入金用の口座情報などを登録するだけで、簡単に利用できます。会社によって振込対応までの日数は異なりますが、最短で即日から利用可能です。
手数料が低めに設定されている
請求書カード払いの手数料は3〜4%程度です。銀行融資の金利が1〜15%、カードローンの手数料が3〜18%程度なので、それと比べると手数料幅が狭く低めのコストといえます。
また、クレジットカードのポイントで手数料の一部を相殺できるため、実質的な負担はさらに抑えられます。
取引先がカード決済に対応してなくても利用できる
請求書カード払いは、取引先がカード決済に対応してなくても利用できます。これは請求書カード払いが取引先ではなく、サービス会社に対してカード決済を行うためです。カード決済後、サービス会社が取引先の口座に振り込んでくれます。
取引先に支払い方法を知られない
取引先への振込は利用者名義で行われるため、通常の銀行振込と変わりません。
資金繰り改善のために利用していることを取引先に気づかれる心配がないので、取引関係に影響を与えることなく利用できます。
借入扱いにならない
銀行融資やビジネスローンは借入として扱われるため、将来の融資審査にも影響することがあります。
一方、請求書カード払いはクレジットカード決済扱いのため、借入履歴に残らず、他の資金調達にも影響する心配はないでしょう。
請求書カード払いを利用する際の注意点
便利な請求書カード払いですが、いくつか注意しておきたいことがあります。サービスを有効活用するために、以下の注意点をしっかり確認しておきましょう。
利用限度額までしか決済できない
請求書カード払いで決済できる金額は、自身のクレジットカードの利用限度額までです。利用限度額はカード会社やランクによってことなりますが、たとえば創業したばかりの個人事業主や中小企業は限度額が低めに設定されることが多いです。
そのため高額な仕入れや複数の請求が重なる際は、限度額を超えてしまうことがあります。限度額を超えてしまうと利用できない可能性があるため、事前の確認が必要です。
最長60日までしか支払いを延長できない
延長できる支払期間は、サービスによって40〜60日程度と決められています。一時的な資金繰り改善の手段として活用できますが、慢性的な資金不足には向いていません。資金繰りを立てる際は、この期間を考慮に入れましょう。
個人事業主だと利用できないケースがある
サービスによっては、法人向けのみの提供で、個人事業主は利用できないことがあります。また、利用可能なサービスでも、追加の審査や書類提出が必要になることがあります。
請求書カード払いを利用する個人事業主は、事前にサービスの利用条件をしっかり確認しておきましょう。
請求書カード払いを利用する流れ
請求書カード払いは、サービスに登録してからカード決済、取引先への振込まで、4つのステップで利用できます。
STEP1:サービス利用の申し込み
まず、利用したい請求書カード払いサービスの公式サイトから利用登録を行いましょう。必要な情報は自社や取引先の情報、利用するクレジットカード情報などです。多くの場合、審査は不要です。
STEP2:振込先口座の指定・カード決済
請求書の内容に従って、振込先の口座情報や金額を入力し、クレジットカードで決済を進めます。
STEP3:サービス会社から取引先への振込
カード決済が完了すると、サービス会社が指定された口座へ振込を行います。振込までの日数はサービスによって異なり、即日から5営業日程度です。
振込名義は利用者名(自社もしくは個人)に設定できるため、取引先は通常の振込と変わりなく入金を確認できます。
STEP4:支払額と手数料の引き落とし
最後に、クレジットカードの引き落とし日に、請求額と手数料が登録口座から引き落とされます。引き落とし日はカードの締め日や支払日によって変わるため、事前に確認しておくと安心です。
請求書カード払いサービスの比較ポイント
請求書カード払いサービスは、以下の4つのポイントを確認して自社に合ったものを選びましょう。
- 手数料
- 審査
- 振込スピード
- 支払いの延長期間
サービスによって手数料は3〜4%程度と異なり、審査の有無や振込までの日数もまちまちです。支払いの延長期間も40〜60日と幅があるため、自社の利用目的や支払い状況に合わせて選ぶことが重要です。
請求書カード払いサービスおすすめ11選
ここでは、請求書カード払いサービスを11社厳選して紹介します。
1.カード払いくん
カード払いくんは、株式会社バイオンが提供している請求書カード払いサービスです。
スマホで簡単申込、アカウント登録からすぐにサービスを利用できます。初期費用や月額料金はかからず、審査や面倒な書類提出は必要ありません。最短60秒のWeb完結で導入できるため、急な支払いにも対応可能です。
支払いを最大60日間まで遅らせることができ、取引先には最短即日で振り込まれます。取引先には通常の振込と変わらない形で入金されるため、サービス利用が知られることもありません。
手数料 | 4.0%〜 |
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支払延長期間 | 最大60日間 |
最短振込日数 | 最短即日 |
取扱カードブランド | VISA、Mastercard、JCB |
対象 | 法人・個人事業主 |
2.DGFT請求書カード払い
DGFT請求書カード払いは、建設会社や職人など、幅広い業種の事業者に人気のサービスです。取り扱っているカードブランドが豊富で、国内で唯一Diners Clubでの支払いに対応しています。
最短即日で利用できるようになり、支払いは最大60日間先延ばしにすることが可能です。振込は3営業日以内。事前に財務審査が必要なものの、手数料は業界最安水準の3.0%に設定されています。
手数料 | 3.0% |
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支払延長期間 | 最大60日間 |
最短振込日数 | 3営業日 |
取扱カードブランド | VISA、Mastercard、JCB、Diners Club |
対象 | 法人・個人事業主 |
3.請求書支払い代行サービス
請求書支払い代行サービスは、三井住友カード株式会社が運営する請求書カード払いサービスです。既存の三井住友カードを持っていれば最短当日、新規で作成する場合は最短2営業日後から利用できます。審査は必要ありません。
支払いは最大40日間延長できますが、振込は最短5営業日と他サービスと比べると長めです。また、個人事業主も利用対象となっていますが、個人事業主宛の振込には利用できないので注意が必要です。
手数料 | 3.0% |
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支払延長期間 | 最大40日間 |
最短振込日数 | 5営業日 |
取扱カードブランド | VISA、Mastercard |
対象 | 法人・個人事業主 |
4.JCB請求書カード払い
JCB請求書カード払いは、大手カード会社のJCBとIT企業のデジタルガレージが共同運営する請求書カード払いサービスです。3Dセキュアと2段階認証の二重のセキュリティ対策を採用しており、セキュリティ面は万全です。
手数料は業界トップクラスで安く、2.98%です。1万円以下は一律300円となります。
対応カードブランドはJCBのみです。JCBグループのカードは対象ですが、JCBパートナー会社が発行するカードは対象外となるので注意しましょう。
手数料 | 2.98% ※1万円以下は300円 |
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支払延長期間 | 最大40日間 |
最短振込日数 | 3営業日 |
取扱カードブランド | JCB |
対象 | 法人・個人事業主 |
5.弥生請求書カード払い
弥生請求書カード払いは、会計ソフト「弥生会計」で知られる弥生株式会社が提供するサービスです。
アカウント登録だけで財務審査は不要なため、すぐに利用を始めることができます。支払いは最大60日間延長でき、振込は最短即日、遅くても3営業日以内に完了します。
手数料は3.5%、キャンペーン適用時は2.7%です。
手数料 | 3.5% |
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支払延長期間 | 最大60日間 |
最短振込日数 | 最短即日 |
取扱カードブランド | VISA、Mastercard |
対象 | 法人・個人事業主 |
6.マネーフォワード請求書カード払い
マネーフォワード請求書カード払いは、マネーフォワードケッサイ株式会社が提供しているサービスです。振込の期日は、5日、10日、15日、20日、25日、末日から選べる仕組みです。カード決済から最短2営業日後に取引先へ振り込まれます。
手数料は2.7%ですが、外部投資家からの調達実績がある、予定がある場合は2.4%とさらに低くなります。
手数料 | 2.4%〜 |
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支払延長期間 | 最大60日間 |
最短振込日数 | 5日、10日、15日、20日、25日、末日から選択 |
取扱カードブランド | VISA、Mastercard、JCB |
対象 | 法人・個人事業主 |
7.支払い.com
支払い.comは、大手クレジットカード会社のクレディセゾンと、フィンテック企業のUPSIDERが共同で運営するサービスです。
手数料は4.0%とやや高めですが、クレディセゾンカード・UPSIDERカードを利用していれば、最短翌営業日で振り込まれます。支払いを最大60日延長が可能です。
1万円以上からの振込が対象です。さらに法人のみであるものの、業界で唯一、社会保険料の支払いにも対応しています。
手数料 | 4.0% |
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支払延長期間 | 最大60日間 |
最短振込日数 | 翌営業日※セゾンカード・UPSIDERカード以外を利用する場合は2営業日 |
取扱カードブランド | SAISON CARD、Visa、Mastercard |
対象 | 法人・個人事業主 |
8.1click後払い
1click後払いは、東証グロースに上場している株式会社ROBOT PAYMENTの請求書 カード払いサービスです。20年以上の決済代行実績を持つ企業が運営しており、強固なセキュリティと安定したサービス提供に定評があります。
支払いは最大60日間先延ばしにでき、手数料は3.8%です。
手数料 | 3.8% |
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支払延長期間 | 最大60日間 |
最短振込日数 | 3営業日以降 |
取扱カードブランド | Visa、Mastercard |
対象 | 法人・個人事業主※個人は利用不可 |
9.INVOY
INVOYは、10万以上のユーザー登録があり、累計取扱高100億円を超える実績を持つサービスです。3Dセキュアによる安全な決済システムを採用しており、財務審査なしで利用を開始できます。
支払いは最大60日間先延ばしにでき、最短1営業日の振込が可能です。振込完了は96%が1営業日以内という実績もあります。また、4営業日後から最大30日後まで指定することも可能です。
通常の手数料は3.0%です。ただし、10万円以下の決済の場合、手数料は一律3,000円となります。
手数料 | 3.0% |
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支払延長期間 | 最大60日間 |
最短振込日数 | 1営業日 |
取扱カードブランド | VISA、Mastercard、JCB |
対象 | 法人・個人事業主 |
10.labolカード払い
labolカード払いは、東証プライム上場企業の株式会社セレスグループが運営する請求書カード払いサービスです。営業時間内であれば、最短60分の入金が可能で、土日祝日でも審査や入金対応をしてくれます。支払延長期間は最大60日です。
手数料はVISA・Mastercardが3.0%、JCBが3.5%となっており、1万円からの申請が対象です。ただし、初回利用時のみ、確定申告書や開業届など事業確認書類が必要ですが、急ぎの支払いに対応できる柔軟性の高さが強みといえるでしょう。
手数料 | VISA/Mastercard:3.0%JCB:3.5% |
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支払延長期間 | 最大60日間 |
最短振込日数 | 最短60分 |
取扱カードブランド | VISA、Mastercard、JCB |
対象 | 法人・個人事業主・フリーランス |
11.請求書カード払い byGMO
請求書カード払い byGMOは、GMOペイメントゲートウェイ株式会社が提供する請求書カード払いサービスです。手数料は3.0%で、支払いを最大55日間後ろ倒しできます。
VISA、Mastercardに対応しており、法人・個人事業主のどちらも利用可能です。
審査はあるものの、会員登録から3ステップで簡単に申請できます。会社情報の登録、請求書情報の入力、クレジットカード番号の登録だけなので、手間なく利用を始められます。
手数料 | 3.0% |
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支払延長期間 | 最短当日 |
最短振込日数 | 最大55日間 |
取扱カードブランド | VISA、Mastercard |
対象 | 法人・個人事業主 |
資金繰りに困ったら請求書カード払いを上手く活用しましょう
請求書カード払いを活用すれば、面倒な手続きなしに支払いを先延ばしできるため、一時的な資金繰りの改善に役立ちます。請求書の支払い方法の一つとして、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
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