給与前払いサービスおすすめ11選|給与ファクタリングとの違いやメリット、手数料などの選び方を解説
目次
CLOSE給与前払いサービスとは、給与前払いなどの事務負担をサービス会社が代行するサービスです。従業員の金銭的な不安を解消できるだけでなく、人材の定着率向上や採用力アップにもつながると注目を集めています。
この記事では、給与前払いサービスを利用するメリットや選び方、おすすめサービスなどを紹介します。給与前払いサービスの導入を検討されている企業の方は、ぜひ参考にしてください。
給与前払いサービスとは?仕組みを解説
給与前払いサービスは、従業員が給料日を待たずに働いた分の給与を受け取れる仕組みです。
企業が一人ひとりの給与前払いに対応していては、経理担当者の負担が大きくなってしまいます。
給与前払いサービスを提供している会社が、給与前払い分の金額を立て替えたり、給与の計算や振込手続きを代行したりすることで、企業の事務負担を軽減します。
そもそも給与前払いとは
給与前払いとは、従業員がすでに働いた分の給与を給料日前に受け取ることができる制度です。労働基準法第25条では、出産、病気、災害、結婚、死亡といった非常時において、従業員からの請求があれば給与の前払いを認めることが定められています。
ただし、まだ労働していない将来分の給与は対象外です。前払いできるのは、あくまでも実際に働いた労働対価分のみとなります。
給与前払いサービスと給与ファクタリングとの違い
似たようなサービスとして給与ファクタリングが挙げられますが、サービスの性質が異なります。
最も大きな違いは、契約の主体です。給与前払いサービスは企業が契約する福利厚生サービスですが、給与ファクタリングは従業員が個人で契約する金融サービスです。
また、給与ファクタリングの実態は、将来の給与を担保とした貸金業です。金融庁からも貸金業として注意喚起が出されており、高額な手数料や返済トラブルなどのリスクがあります。
企業が導入する給与前払いサービスのほうが、従業員にとってより安全な選択肢といえるでしょう。
給与前払いサービスの2つの種類
給与前払いには、立替払い型と自社払い型の2つの種類があります。
立替払い型
サービス会社が前払い分の給与を立て替えて支払う方式です。企業は勤怠データを提供し、従業員からの申請に基づいてサービス会社が給与を立て替えます。
立て替えた金額は後日まとめて精算するため、支払いサイクルを把握しやすくキャッシュフローが圧迫されにくいです。前払い用の資金を準備する必要もありません。
自社払い型
企業が自社で前払い分の給与を用意して支払う方式です。サービス会社は給与計算や振込処理などの実務面をサポートします。
立替払い型と比べて手数料を抑えられる反面、企業側で前払い用の資金を準備しなければいけません。また、専用の口座開設が必要なケースもあるため、導入時の準備や運用面での負担を考慮する必要があります。
給与前払いサービスを利用するメリット
給与前払いサービスには、企業と従業員双方にとってメリットがあります。以下で具体的に見ていきましょう。
人事や経理の事務負担を抑えられる
従来なら個別対応が必要だった給与前払いの申請や振込作業を、サービス会社が一括で代行してくれます。勤怠確認から給与計算、振込作業まで自動化されるため、担当者の負担が大幅に軽減されるでしょう。
従業員の定着率が高まる
給与前払いサービスを導入すれば、従業員の金銭的な不安を解消できます。急な出費にも対応することができ、従業員の満足度向上と定着率アップが期待できるでしょう。
採用競争力が高まる
採用での競争力を高める要因の一つが福利厚生の項目です。福利厚生がいかに充実しているかは、求職者にとって重要なポイントです。
「給与前払い制度あり」と求人に記載することで、給与の受け取り方に柔軟性がある企業としてアピールでき、採用活動において大きなアドバンテージとなるでしょう。
制度がない企業に比べて人材が集まりやすくなり、より優秀な人材の確保にもつながります。
金銭トラブルの予防になる
給与前払いサービスの導入は、金銭トラブルの予防になります。従業員の中には急な出費に不安を感じ、借金を検討する人もいるかもしれません。最悪の場合、高金利で貸付を行うヤミ金融に借金して、金銭トラブルに巻き込まれるケースがあります。
また、生活費を確保するために無理して副業を掛け持ちし、本業のパフォーマンスが低下してしまうこともあるでしょう。
給与前払いサービスを導入して従業員を支援できれば、こうした事態を未然に防ぐことができます。働いた分の給与を必要なタイミングで受け取れる仕組みがあることで、従業員は安心して業務に集中できるのです。
【従業員のメリット】急な資金ニーズに対応できる
給料日より前に給与を受け取れるため、従業員は急な出費や予期せぬ支払いにも柔軟に対応できます。非常時でなくても給料前払いを利用できるため、生活費の急な不足や子どもの教育費など、様々な場面で活用できます。
また、通常の給料前払いでは、人事部門への申請や上司の承認が必要です。時間がかかるほか、周囲の目を気にして、必要な時でも申請を躊躇してしまう場合も少なくありません。
給与前払いサービスでは、24時間いつでも手続きが可能です。従業員がスマホなどから申請できるため、手続きもスムーズ。利用へのハードルも下がります。
給与前払いサービスの料金・手数料相場
初期費用は多くのサービスで無料となっており、導入時の負担を抑えやすいです。月額料金は、サービス会社や申込企業の従業員規模などによって異なります。無料なところもあれば、月額1万円〜6万円程度を請求されるサービスもあります。
手数料に関してもサービス会社によって異なりますが、約3〜6%が相場です。仮に給与前払いサービスを使って2万円を受け取った場合、手数料は600円〜1,200円です。
給与前払いサービスの選び方
給与前払いサービスは、各社で特徴が異なります。導入効果を最大限に高めるために、以下のポイントをしっかり確認しましょう。
手数料の負担を確認する
手数料は各サービス会社によって異なります。1回あたりの金額が適正か確認しましょう。高すぎる手数料は利用を妨げる原因となります。
また、企業負担とするか従業員負担とするか、両者で分担するかなど、自社に合った負担方法を検討することが大切です。
既存システムとの連携のしやすさをチェックする
勤怠管理や給与計算システムとスムーズに連携できるかどうかは重要なポイントです。CSVやAPI連携に対応しているか、データの受け渡しがスムーズにできるかを確認しましょう。
システム連携がスムーズなら、運用開始後の業務負担を大幅に削減できます。
従業員が使いやすいサービスかどうかを確認する
従業員目線で使いやすいサービスかどうかも重要なポイントです。
即時振込に対応しているか、ATMの引き出しはいつでもできるか、スマホから申請できるかなど、従業員のニーズに応える機能が備わっているかを確認しましょう。導入後の活用を促すためにも、使い勝手の良さは重要です。
業務委託報酬にも対応しているかを確認する
正社員やパート・アルバイトだけでなく、業務委託契約のフリーランスや個人事業主も多い企業では、業務委託報酬に対応しているかをチェックすることが重要です。
対応していないサービスも多いため、事前に確認しておきましょう。
サポート体制の充実度を確認する
給与前払いサービスを選ぶ際は、サポート体制の充実度も確認が必要です。いざ導入してもどう利用すればいいのかわからないケースも多いです。
24時間365日対応のコールセンターがあるか、従業員からの問い合わせに直接対応してくれるか、多言語対応は可能かなどをチェックしてみてください。
充実したサポート体制があれば、社内の運用負担を軽減でき、スムーズに運用できるようになります。
セキュリティ対策を確認する
個人情報や給与データを扱うため、セキュリティ面の確認は必須です。
データの暗号化やアクセス制限、不正利用防止策など、十分なセキュリティ対策が講じられているサービスを選びましょう。
口座開設の要否を確認する
既存の給与振込口座がそのまま使えるか、新たに専用口座の開設が必要かを確認しましょう。
口座開設が必要な場合、手続きしたり、口座を管理したりするのに手間がかかります。できるだけ既存口座が使えるサービスを選ぶと、導入もスムーズに進められます。
給与前払いサービスおすすめ11選
ここでは、おすすめの給与前払いサービスを11社ピックアップして紹介します。
1.PAYMO
PAYMOは、業務委託報酬に特化した前払いサービスです。利用者はスマホから24時間いつでも申請でき、承認後は利用者の口座へ即時振込されます。企業側の承認作業はとてもシンプルで、利用者からの申請に対して「承認する」または「承認しない」を選択するのみです。
導入時の初期費用や月額費用は企業側の負担が一切なく、最短3営業日で利用開始可能です。また立替払い型なので、キャッシュフローを変えることなく運用を開始できます。
業務委託先の拡大と定着率の向上を図りたい企業は、ぜひ導入を検討したいサービスです。
2.CRIA
CRIAは、セブン銀行ATMとの連携により、リアルタイムでの給与受け取りが可能です。企業側の費用負担がなく、従業員の利用手数料のみでサービスを利用できます。
専用コールセンターが24時間体制で従業員からの問い合わせに対応しており、企業側の運用負担も最小限に抑えられます。
3.即給 byGMO
即給 byGMOは、GMOペイメントゲートウェイ株式会社と三井住友銀行が共同して行っている給与前払いサービスです。三井住友銀行グループが培ってきた安全・安心なインフラ基盤を活用しており、セキュリティ面での信頼性が高いです。
立替払い型とデポジット型から選択可能で、リアルタイム振込にも対応しています。既存の銀行口座をそのまま利用でき、新規口座開設が不要なため、スムーズな導入が可能です。
4.JOBPAY(旧キュリカ)
JOBPAYで使えるATMは、全国10万台以上。銀行口座への振込は不要で、24時間365日ATMから給与を引き出せます。勤怠データとの連携により、その日働いた分の給与をすぐに出金することが可能です。
手数料は引き出し金額に関わらず、一律の440円です。従業員向けの申込方法や操作についてサポートセンターを設置しているため、企業側のサポート負担も軽減できます。
5.プリポケ
プリポケは、伊藤忠商事の100%子会社が運営する給与前払いサービスです。立替払い型と直接払い型のどちらも選択可能で、手数料は業界最低水準の1.5%です。
申請は24時間365日受け付けており、スマホから申し込めます。立替払い型であれば、即時送金も可能です。既存口座で利用できるため、新たに口座を開設する手間がかかりません。
6.Advanced pay SAISON
Advanced pay SAISONでは、金融機関の営業日の午前11時までの申請であれば、その日のうちに給与を受け取ることが可能です。セブン銀行ATMでの受け取りにも対応しています。
申請方法はLINEアプリまたはブラウザからで、普段使い慣れたトーク画面のメニューから簡単に前払いを申請できます。企業側の初期導入費や月額料金はかからず、利用した分の従量制です。従業員の口座開設もいらず、既存の給与振込口座がそのまま使えます。
7.PrePay
PrePayは、人材派遣・紹介サービスを手がけるイデアホールディングスによる給与前払いサービスです。前払いの申請方法はWebと電話の2種類から選べます。
通常は翌日入金ですが、オプションの「スピードEXPRESS」を利用すれば、即日入金にも対応。楽天銀行を利用している場合は、19時までの申請で即時入金も可能です。
8.Will Pay
Will Payは、立替払い型の給与前払いサービスです。申請は24時間365日受け付けており、会社や上司の承認が必要ないため、従業員は急な出費にも柔軟に対応できます。
5,000円までの前払いなら、システム利用料はかかりません(※振込手数料は必要)。
それ以上の金額でも、前払い金額に応じた明確な料金体系で、従業員が安心して利用できます。アプリは英語にも対応しており、外国人労働者が多い職場でも活用しやすいです。
9.Payme
Paymeは、人材派遣や飲食、物流業界など、幅広い業種で導入されている給与前払いサービスです。ISMSやPマークを取得するほどの強固なセキュリティを備えており、企業も従業員も安心して利用できます。
シンプルで直感的に使いやすい画面で、初めての方でもスムーズに操作できます。立替プラン、クレジットカードプラン、デポジットプランの3つから選べるため、企業の規模や運用方針に合わせた導入が可能です。
10.楽天早トク給与
楽天早トク給与は、楽天グループが運営する給与前払いサービスです。シンプルで使いやすい管理画面を採用しており、複雑な操作は必要ありません。
すべての銀行での給与受け取りに対応しているため、従業員は既存の口座をそのまま利用可能です。楽天銀行で給与を受け取ると、振込手数料は0円、さらに楽天ポイントが申請1回につき5ポイント(上限月3回まで)たまります。
勤怠管理システムとのCSVデータ連携、API自動連携にも対応しているので、手間なく運用できます。
11.前給
前給は、きらぼし銀行グループが提供する給与前払いサービスです。銀行グループならではの安全性と信頼性が担保されています。
初期導入コストは無料、月々かかる費用も利用手数料だけのシンプルな料金体系。既存の給与システムとの連携も容易で、従業員情報や勤怠データの取り込みもスムーズです。
決済アプリ「ララPayプラス」と連携することで、デジタルウォレットとしても活用できます。受け取った給与をチャージすれば、店頭でのクイックペイやVISAタッチ決済、ネットショッピングでの支払いにも利用可能です。
給与前払いサービスを活用して従業員の確保や定着率向上を図りましょう
給与前払いサービスは、企業が従業員の福利厚生として導入できるサービスです。
従業員の給与前払いに関する業務をサービス会社に代行してもらうことで、管理部門の負担を減らせるほか、従業員の満足度が向上したり、採用時の競争力が高まったりするといった多くのメリットがあります。
人材確保に課題を感じている企業の方や、従業員の働きやすい環境づくりを目指している方も、ぜひ給与前払いサービスを活用してみてください。
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