投稿日:2024.10.29 最終更新日:2024.10.29

法人税の負担を軽減する正しい節税方法11選

目次

CLOSE

    法人税の支払いで、資金繰りが苦しいと感じる事業主もいるのではないでしょうか?節税対策により支払う法人税を減らせれば、より手元に大きな資金を残せます。この記事では、法人が利用できる11種類の適切な節税対策を紹介します。

    法人税とは

    法人税とは、法人の企業活動によって得られる所得に対して課される国税で、主に以下のような法人に課されます。

    【法人税が課される主な法人】株式会社・合同会社・合名会社・合資会社・医療法人・協業組合・協同組合・一般社団法人・NPO法人・学校法人

    法人税の節税とは

    法人税は所得に一定の税率をかけて算出します。所得は会社の益金から損金を引いて計算をします。

    法人の所得=益金 - 損金

    益金とは企業における収益のことです。商品やサービスを販売したときの売上や、土地・建物の売却収入などがあります。また損金とは、売上原価や販促費、災害による損失など、費用や損失を指します。

    法人税の計算の仕組みがわかれば、利益を減らすか損金を増やして法人の所得を減らせば、支払う法人税を減らすことは可能です。

    ただし無計画に経費を使うと、かえって手元資金が減ってしまいます。また利益が減ってしまうことで、銀行からの融資が受けにくくなるなど弊害も起こり得ます。

    あくまでも節税は、法律で定められたルールを理解して、税務上の仕組みを適切に利用することが大切です。

    法人税の節税対策11選

    ここでは、効果が高い法人税の節税対策を11個紹介します。いずれも税法上問題ないとされているものを紹介していますが、実際に利用する際は、必ず事前に税理士に相談してください。

    法人名義の車を所有する

    法人名義の車を所有することで、車の取得費用やガソリン代、保険料などを損金扱いにできます。

    特に車両の取得費用は、減価償却費として数年に分けて経費計上できるため、高い節税効果が期待できます。

    例えば新車の場合、普通自動車は6年、軽自動車は4年に分けて経費計上が可能です。

    ただしプライベートで使用するときは、利用規定を作成し、一定の利用料を会社に支払うなどの手続きが必要です。

    損金算入の要件を満たした役員報酬を支払う

    役員報酬は原則、損金算入の対象ではありませんが、以下の要件を満たす場合は損金算入が認められます。

    定期同額給与

    1ヶ月以内の一定期間ごとに、同額で支払われる役員報酬のことです。一般的な月収を考えると分かりやすいでしょう。定期同額給与の金額を変更できるのは、事業年度開始から3ヶ月以内に限られます。

    事前確定届出給与

    役員への臨時的な報酬は原則、損金算入が認められませんが、事前に税務署に届出をしておけば損金として認められます。また臨時的な報酬を支払うことを、株主総会等で明確にしておかなければなりません。

    届け出た金額と異なる条件で支払った場合は、損金として認められない(損金不算入)となるため注意が必要です。

    業績連動給与

    会社の業績に応じて支払われる報酬のことです。あらかじめ金額を確定させる必要はありませんが、以下の条件を満たしている必要があります。

    • 算定方法が適切である
    • 有価証券報告書に記載している
    • 通常の同族会社以外である

    経営セーフティ共済に加入する

    経営セーフティ共済は、取引先が倒産したときに無担保・無保証人で、回収困難となった売掛金債権等の額か、納付された掛金総額の10倍(最高8,000万円)のいずれか少ない金額まで借り入れができる制度です。正式名称は中小企業倒産防止共済といいます。

    経営セーフティ共済の掛金は月額5,000円~20万円まで選択可能で、掛金は損金に算入できます。さらに40ヶ月以上掛金を納めていれば、解約時に掛金全額が戻ります。

    経営者や従業員の家を社宅にする

    会社が賃貸物件を借りて、経営者や従業員に社宅として貸し出すと、経費として損金計上できます。

    ただし損金とするためには、入居者から一定額以上の賃料を受け取る必要があります。賃料が無料であったり著しく低いとみなされたりすると、現物支給として課税される可能性があるため注意が必要です。

    不要な在庫を処分する

    不要な在庫を処分するためには、安く販売するか廃棄するといった方法がありますが、損失になるためなかなか実行に踏み切れないケースもあるでしょう。

    しかし不要な在庫を抱えていても、管理コストがかかるうえ、スペースが限られている事業所では、スムーズな作業の妨げになる可能性もあります。

    不要な在庫を処分するために原価より安く販売すると、差額が損金になります。廃棄した場合も、廃棄損として損金計上が可能です。そのため利益が出ているタイミングで、在庫処分をすれば節税対策になります。

    赤字の繰り越し

    法人で赤字になった場合、翌年以降、最長10年間、所得金額の50%まで相殺ができます。

    また一定の要件を満たせば、黒字だった年の翌年が赤字になったとき、前年の黒字にさかのぼって赤字と相殺し、法人税が還付される「欠損金の繰り戻しによる還付」も受けられます。

    福利厚生の充実

    福利厚生を充実させる目的で支出した費用は、損金計上が可能です。損金として認められる福利厚生のうち、代表的なものを紹介します。

    健康診断

    一定年齢以上の希望者がすべて受診できる健康診断や、人間ドック費用は損金計上ができる。

    社員旅行

    社員旅行の費用も損金計上が可能。ただし旅行の期間は4泊5日以内、参加人数が全体の50%以上、旅行内容が社会通念上一般的なものであることが要件。

    飲食費の負担

    従業員を対象とした新年会や忘年会、送別会、その他従業員の食事の提供でかかった費用は、一定の要件を満たせば損金計上が可能。

    買掛金や未払金を漏れなく計上する

    通信費や社会保険料、従業員給与など今期中に発生して、支払いが来期になるような費用がある場合は、今期の費用として計上します。

    また会計上、支払いは終わっていなくても、商品やサービスの引き渡しをしていれば、今期の費用計上ができるため、決算時に買掛金や未払金の計上漏れがないか確認しましょう。

    30万円未満の減価償却資産を一括で計上する

    青色申告している中小企業は、30万円未満の減価償却資産については、損金として一括計上ができます。ただし年間合計で300万円が限度です。

    減価償却資産を一括計上すれば、償却期間で償却するよりも、節税効果が高くなります。

    貸倒引当金を計上する

    貸倒引当金とは、取引先が倒産して債権が回収できなくなったときに備えて、あらかじめ設定しておく積立金のことです。

    貸倒引当金が損金計上できる金額については、税務調査の対象となるため計上する際は、税理士と相談してください。

    生命保険や損害保険に加入する

    法人向けの保険のなかには、全額あるいは一部を損金として計上できるものがあります。損害保険は損失の補填が目的のため、全額損金計上が可能です。

    生命保険については、保障性が高い商品については損金として認められますが、貯蓄性があるものは資産として扱われます。

    生命保険に関する税務は複雑なので、税理士に相談することをおすすめします。

    まとめ

    売上高は変わらなくても、適切な節税対策を行うことで、手元に残る資金を増やせます。手元に資金が残れば、設備投資や人への投資、販促費などに使えるお金が増えるため、さらなる事業拡大が見込めるでしょう。

    ただし自分の判断だけで節税対策をすると、脱税と判断されてしまう可能性があります。節税対策を活用する際は、必ず事前に担当税理士に相談してください。

    この記事を書いた人

    Payなび運営チーム

    安心・安全にファクタリングを活用するためのノウハウや実践的な情報を提供しています。ビジネスの成功と成長のための最適なサポートをご提供いたします。
    ファクタリング一括申請サービス「Payなび」

    オンラインで、1度に複数のファクタリング会社に審査の申込みを行い、手数料などの条件を見て自分に合ったファクタリング会社を選べる新しいサービスです。
    請求書(売掛金)を即日買取可能な業者多数登録!フリーランス(個人事業主)の方から中小企業様まで幅広く対応可能です。

    登録がまだ
    お済みでない方はこちら
    コラム一覧に戻る