今すぐ資金繰りを改善する8つの方法｜悪化の原因も合わせて解説

「資金繰りを改善するには何をすればいいのか」とお悩みの経営者もいるでしょう。資金繰りの改善には、「売掛金の回収サイトを早める」「買掛金の支払いサイトを長くする」「過剰に抱えている在庫を処分して最適化する」などの方法があります。

資金繰りの悪化の原因は、企業によって異なるため、自社の状況に合わせた改善策を検討することが重要です。

この記事では、今すぐ資金繰りを改善する8つの方法や資金繰りが悪化する原因などを紹介します。ぜひ参考にしてください。

【即日実施可能】資金繰りを改善する8つの方法

それでは、資金繰りを改善するための方法を8つ紹介していきます。自社で実践できる方法がないかを検討してみましょう。

1.売掛金の回収サイトを早める

売掛金の回収サイトを早めることは、資金繰り改善の基本です。回収サイトとは、入金されるまでの期間のことです。

回収サイトが長いと、その期間中に仕入れ代金や人件費、その他の経費の支払いが発生するため、資金繰りが厳しくなってしまいます。

まずは取引先ごとの支払い条件を見直し、可能な範囲で回収サイトを短くできないかを検討しましょう。新規取引先との取引開始時には、回収期間を意識した条件設定を心がけます。

なお、ファクタリングを利用すれば、売掛金の回収を早められます。ファクタリングとは、期日前の売掛金を専門会社に売却できるサービスです。取引先の支払能力を重視しているため、会社の経営状態が厳しくても、取引先の信用力が高ければ利用できる可能性があります。

「Payなび」を活用することで、複数の会社に一括で申し込めるため、一社ずつ申請する手間を省けます。手数料や入金スピードを比較できるので、自社にあったファクタリングを最短即日で利用可能です。

2.買掛金の支払いサイトを長くする

売掛金の回収サイトは早めますが、買掛金の支払いサイトは長くすることで、資金繰りに余裕が生まれます。支払いサイトは、取引の締め日から代金が支払われるまでの期間のことです。

支払いサイトは回収サイトのタイミングに合わせて設定できれば理想的です。例えば、取引先からの入金が毎月25日なら、仕入先への支払いは翌月末に設定するといった具合です。

ただし、買掛金の支払いサイトを交渉する場合は、必ず事前に相談することが重要です。急な支払いサイトの変更は、取引先も資金繰りの面で難しいケースがあります。

なにより「資金繰りが厳しい」と思われ、取引先からの信用を失いかねません。なるべく2〜3ヶ月前くらいから相談しましょう。

なお、請求書カード払いサービス「カード払いくん」を活用すれば、取引先の請求書をクレジットカードで決済できるようになります。

最大60日引き伸ばせるため、資金繰りに余裕が生まれます。利用者名義で振り込むため、取引先にカード払いくんを利用していることは知られません。

3.過剰に抱えている在庫を処分して最適化する

在庫を持ち続けるには、管理コストや運営コストが必要です。売れ残りや滞留在庫が増えると、資金繰りを圧迫してしまいます。在庫の棚卸しを行い、長期滞留品や過剰在庫を特定しましょう。

その上で、値引き販売やセット販売など、状況に応じた販売方法で在庫の現金化を進めます。今後発注する際も、適正在庫を意識した仕入れ計画を立てることが重要です。

4.ムダな経費をカットする

ムダな経費をカットできれば、その分だけ利益を確保しやすくなります。ただし、やみくもな削減ではなく、優先順位をつけて取り組みましょう。

固定費は特に注意が必要で、事務所経費や通信費、各種サブスクリプションなど、本当に必要なものかを見極めます。売上やサービスの品質などに直結する経費は慎重に判断し、会社の成長を妨げない範囲での削減や方法を考えましょう。

5.使っていない設備を売却する

事業として購入したものの、何らかの理由で使っていない設備や土地を「遊休資産」といいます。

遊休資産は、手入れや維持管理にコストがかかるだけでなく、固定資産税もかかってしまいます。さらに、貴重なスペースを占有してしまうため、新たな事業展開の妨げにもなりかねません。

設備の稼働状況や将来的な必要性などを確認した上で、使用頻度の低いものは思い切って売却を検討しましょう。

6.融資・補助金などの資金調達を検討する

融資や補助金も資金繰り改善の手段の1つです。ただし、融資や補助金は申請から実行まで2週間から1ヶ月かかるため、直前の相談では資金繰りに間に合わない可能性があります。

また、資金繰りが逼迫してからの相談では、金融機関側からリスクが高いと判断され、資金調達が難しくなってしまうでしょう。

そのため、資金繰り表で先々の状況を把握し、業績悪化の兆候が見え始めた段階で相談することが重要です。

7.借入金の返済金利や返済条件の見直しを交渉する

金融機関から借入をしている場合は、返済金利や返済条件を交渉するのも手です。リスケジュールと呼ばれるこの方法は、毎月の返済額を減らしたり、一時的に返済を待ってもらい、利息だけを支払ったりするのが一般的です。

ただし、債務が免除されるわけではありません。そのため、返済計画の見直しを交渉する際は、ただ単に「返済が厳しい」と相談するのではなく、今後の収支計画や経営改善に向けた具体的な取り組みを示すことが重要です。

8.前払金、貸付金、仮払金を回収する

前払金は商品やサービスの前払いとして支出する資金で、貸付金は役員や関連会社などへの貸付として支出する資金、仮払金は主に経費の概算払いとして支出する資金です。

これらは一時的な支出として発生することはありますが、長期化すると資金繰りを圧迫する原因となります。

役員への貸付金が長期間残っていると、金融機関からの信用も低下してしまいます。前払金は取引内容を見直して極力発生を抑え、貸付金は明確な返済計画を立てて回収を進めましょう。

仮払金については、出張費や経費の精算ルールを明確にし、精算期限を設けて管理することが重要です。「とりあえず仮払い」という安易な運用は避け、必要最小限の金額にとどめることを心がけましょう。

そもそも資金繰りとは？

そもそも資金繰りとは、企業活動に必要な資金の出入りを過不足なく管理することです。

売上代金の回収や仕入代金の支払い、人件費や経費の支払いなどは、資金繰りの一環です。入出金のタイミングがずれないように現金の流れをコントロールしていきます。

資金繰りとキャッシュフローの違い

資金繰りは企業が必要な資金を調達し、支払いに充てることです。

一方キャッシュフローは、一定期間における現金の流れのことであり、現金の収入（キャッシュイン）と支出（キャッシュアウト）の差額を示します。さらにキャッシュフローは、営業活動、投資活動、財務活動の3つに分類されます。

資金繰りは日々の支払いに必要な現金をいかに確保するかという実践的な管理を指し、キャッシュフローは経営状態を分析するための指標として使われます。

資金繰りが苦しいとは？状況や影響

売上が好調でも資金繰りに余裕があるとは限りません。例えば、売掛金の回収が遅く、その間の仕入代金や人件費の支払いに苦慮するケースがよくあります。

最悪の場合、手元資金が不足して支払いができない「資金ショート」に陥り、信用を失って倒産するケースもあります。これが「黒字倒産」と呼ばれる状態です。

月次決算で利益が出ていても、日々の現金が不足すれば企業活動は立ち行かなくなってしまいます。

資金繰りは企業を存続させるために必要

資金繰りは企業の血液とも言える現金の流れを管理する重要な活動です。適切な資金繰り管理ができないと、仕入れや給与支払いに支障が出て、事業活動に深刻な影響を及ぼします。

逆に、資金繰りを適切に管理できれば、取引先や従業員との信頼関係を維持し、安定した経営を続けることができます。企業の持続的な成長のためには、資金繰り管理が不可欠といえるでしょう。

資金繰りが悪化する原因

資金繰りが悪化する原因は1つとは限らず、様々な要因が絡み合っています。以下で、具体的な原因を見ていきましょう。

赤字経営が長期化している

赤字経営が長期化していると、資金繰りが悪化する原因となります。これは、経費の支払いに必要な金額が売上で賄えず、手元資金を取り崩して支払いに充てることになるためです。

一時的な赤字なら現金資産があれば、何とか乗り切れるかもしれません。しかし、赤字状態が続くと、いずれ経費の支払いができなくなってしまいます。

特に人件費や家賃などの固定費は、売上の増減に関係なく発生するため、赤字が続くと資金繰りを圧迫する要因となります。

急な支払いが重なる

予定外の設備修繕や取引先からの支払い要請など、想定していなかった出費が重なると資金繰りが悪化します。

仮に複数の支払いが同時期に集中してしまうと、通常の運転資金では賄いきれず、急な資金調達が必要になることもあるでしょう。

キャッシュフローをあまり把握していない企業では、こうした突発的な支払いへの対応が後手に回ることがあるため、注意が必要です。

大規模な投資を行っている

設備投資や新規事業への参入などの大規模な投資も、資金繰りに影響を与える要因の1つです。投資効果が表れるまでの期間は支出が先行するため、手元資金が大きく減ってしまいます。

投資の規模や時期を慎重に検討しないと、日常の運転資金まで圧迫してしまいます。

売上が急激に上がっている

一見良好に見える売上増加も、資金繰りを悪化させる要因です。売上の増加に伴い仕入れや人件費も増加するため、売上が急激に上がると、資金繰りが厳しくなってしまいます。

売掛金の回収までにタイムラグがあるため、その間の支払い資金が不足してしまいます。買掛金の支払いサイトが、売掛金の回収サイトより長くなるようにするなどの対策が必要です。

売掛先の経営悪化・倒産で売掛金の回収が遅い、回収できない

取引先の経営状態が悪化すると、支払いの遅延や滞納が発生します。売掛金の支払いは数ヶ月先であるため、その間に取引先の経営が傾いてしまうことは珍しくありません。

取引先が倒産して、売掛金が回収できなくなってしまうと、自社の資金繰りにも影響を及ぼします。取引先の与信管理と早期回収の徹底が重要です。

過剰在庫・不良在庫を抱えている

過剰在庫は適正な在庫量を超えて保有している状態、不良在庫は売れ残りや陳腐化した商品です。

不良在庫・過剰在庫は過剰生産や仕入れの管理不足が原因で発生します。売上が立ってないため、資金繰りに影響を及ぼし、新たな仕入れにも支障をきたす可能性があります。

もちろん最終的には値引き販売や廃棄処分を検討しますが、予定していた利益が得られないのはいうまでもありません。また保管スペースも必要となるため、管理費や維持費が余計にかかり、資金繰りを圧迫します。

資金繰りを悪化させてしまう経営者の特徴

ここでは、資金繰りを悪化させてしまいやすい経営者の特徴を紹介します。

売上だけを追いかけ、回収条件を安易に緩める

資金繰りを悪化させてしまう経営者の特徴として、売上だけを追いかけ、回収条件を安易に緩める場合が挙げられます。「売上さえ上がれば」と考え、取引先の与信管理をせずに売掛金を積み上げてしまうのです。

しかし、売上が立っても入金が遅れれば資金繰りは悪化します。特に新規取引の場合、取引先の支払能力を十分確認せずに取引を始めると、回収が滞るリスクが高まります。

過剰在庫に気づかない、楽観視している

資金繰りを悪化させてしまう経営者は、「いずれ売れる」と楽観的に考え、在庫を抱え込みがちです。特に季節商品や流行商品は、タイミングを逃すと売れ残るリスクが高まります。

「在庫は資産」という考えにとらわれすぎると、結果的に資金繰りを圧迫する要因となってしまいます。適正在庫になるように管理を徹底し、売れ残りリスクを把握する必要があるでしょう。

金融機関との関係構築を怠る

金融機関との関係構築を怠ると、急な資金需要が発生した際に柔軟な対応が期待できなくなります。多くの経営者は資金繰りが苦しくなってから初めて相談するため、融資を受けられないケースが少なくありません。

決算書や試算表の提出を後回しにしたり、普段のコミュニケーションを疎かにしたりすると、金融機関からの信頼を失いかねません。特に業績が悪化している時こそ、早めの相談と情報共有が重要です。

資金繰りを今すぐ改善するなら「Payなび」がおすすめ

資金繰りの改善には、売掛金の早期回収が効果的です。その手段としてファクタリングがありますが、会社選びに時間がかかったり、審査に落ちた場合は一から探し直しになったりと、手間がかかるのが難点です。

そこでおすすめなのが、複数のファクタリング会社に一括で申し込める「Payなび」です。最短30分で審査、60分で入金が可能で、赤字企業や債務超過企業でも利用できます。1回の申し込みで複数社を比較検討できるため、最適な条件の会社を選べます。

自社にあった方法で資金繰りを改善させましょう

本記事では資金繰り改善の8つの方法を紹介しました。どの方法を選ぶにせよ、重要なのは「早め早めの対策」です。自社の状況をしっかりと把握し、できることから着実に実践していきましょう。