債務超過と資金ショートはどんな経営状態?信号で言えば、黄色と赤の違い⁉
目次
CLOSE「負債の合計>資産の合計」となっているのが債務超過
ビジネスを営んでいると大なり小なりのピンチが訪れるものですが、極力回避すべきものとして挙げられるのが債務超過や資金ショートです。これらは、具体的にどのような状態に陥っていることを意味しているのでしょうか?
まず、債務超過は「負債の合計>資産の合計」となっている状態を意味し、その状態が続くとすべての資産を売却しても借入金の返済や固定費の支払いに窮し、事業の継続が難しくなります。債務超過に陥るパターンとして多いのは、赤字経営の長期化です。
もっとも、債務超過に陥っていても、すぐさま倒産の危機に直結するわけではありません。支払いに1年以上の猶予がある借入金(固定負債)が占める割合が高かったり、短期間で現金化できる資産(流動資産)が少なくなかったりすれば、経営を続けていくことは可能でしょう。
中小企業庁の調査結果を見ても、3割を超える中小企業が債務超過の経営になっていることがわかります。とはいえ、債務超過がいっこうに解消されなければどんどん経営が苦しくなっていくわけですから、言わば黄色信号が点灯している状況だと捉えられるでしょう。
手元のキャッシュが不足し、支払いや返済が難しくなるのが資金ショート
一方、資金ショートは手元のキャッシュ(現金・預金)が不足し、買掛金や仕入れ代金、経費などの支払いが困難になっている状態のことを意味しています。いわゆる「資金繰りの悪化」で、不動産や「売掛債権」を保有していても、それらを速やかに現金化することは困難で、とにかく目先の支払いに窮しているなら、資金ショートに陥っていると言えるでしょう。
資金ショートは債務超過よりも深刻な事態で、経営に関してまさに赤信号が点灯しています。負債の返済や仕入れも行えず、ビジネスを継続することが不可能ですから、倒産の危機に直面しています。
こうした資金繰りの悪化は、業績低迷や過剰在庫などによる赤字の発生のみならず、黒字経営であっても売掛金の回収遅延などがトリガーとなって直面することがあります。また、杜撰な資金管理もその要因となりえます。
収益性に対する支出(人件費や諸経費)のバランスが悪く、過度なコストを負担している状態が続けば、おのずと資金繰りは悪化していくものです。そういった場合はムダなコストを削減し、収支のバランスを見直すことで資金繰りを改善できます。
資金ショートを回避するために売っておくべき手とは?
黒字経営で遭っても、資金ショートに対する備えは不可欠です。コロナのパンデミックのような想定外の事態も現実となりますし、取引先が経営難に陥って「売掛債権」が回収不能となることも考えられます。
そういった万一のケースも念頭に置き、いざという場面で投入できる資金をプールしておくのが理想でしょう。加えて、迅速な資金調達が可能ないくつかの手段を確保しておくことも重要です。
併せて、「売掛債権」の回収サイクル見直しも図っておきたいところでしょう。請求書発行から資金回収までのサイクルが長い「売掛債権」が大部分を占めていると、手元にキャッシュが入ってこない期間が長くなり、それだけ資金ショートに陥りやすくなります。
もちろん、取引先に対して支払い期日を早めてもらうことを要求するのは現実的に困難でしょう。回収サイクルがもっと短い新規顧客を開拓し、事業ポートフォリオ全体でバランスを整えていくのが最善策となってきます。
資金ショートを回避するための円滑な資金調達方法として、筆頭に挙げられるのがファクタリングでしょう。所有している「売掛債権」をファクタリング会社に売却することで、その支払期日を待つことなく現金を調達できるというサービスです。
「売掛債権」の所有者とファクタリング会社の間で契約を結び、売掛先が関与しない2者(社)間ファクタリングの場合、最短では申し込んだ即日に資金を調達できます。審査に時間を要する銀行融資などとは違い、資金ショートの危機が間近に迫ったタイミングでも迅速な調達を果たせる可能性があるのです。
ファクタリングの審査で重要なウエートを占めているのは売掛先の信用力です。東証プライム市場へ上場しているなど、信用力の高い企業が売掛先なら、審査に通る可能性が高くなります。
他にも消費者金融や信販会社が提供しているビジネスローンも比較的審査がスピーディーですが、財務面の悪化が目立つ場合は融資を受けられない恐れもあります。また、不動産を所有していれば、それを担保に融資を受ければ比較的低利で資金を調達できますが、やはり審査に時間を要するのがネックです。
もしも、資金ショートに陥ってしまった場合は、どんな策を進めるべき?
万一、資金ショートが発生してしまった場合には、支払いの優先順位を決めることが急務となります。一定期間内に手形や小切手の不渡りが連発すると金融機関から取引を停止されて一気に倒産に追い込まれるので、それらの支払いは最優先すべきです。
また、買掛先などに支払いの猶予を要請するのも一考です。負債の返済についても、実際に支払いが遅延となる前に、金融機関へ返済計画の見直しを求めるのが賢明でしょう。
遅らせてもらうというのも一つです。例えば、予定している売掛金を回収することで資金繰りが改善するのであれば、支払日を売掛金回収後にしてもらいましょう。
返済期日を守れないと遅延損害金が生じますし、信用力も低下してしまいます。金融機関に実情を伝え、返済計画の見直しを認めてもらえれば、返済期間が延びる半面、毎月の負担が軽減されて資金繰りの改善につながります。
まとめ:絶対に避けたいのが資金ショート!回避のためにファクタリングの活用も!
ジリ貧に陥りやすい債務超過も避けたいところですが、経営に赤信号が灯る資金ショートとは絶対に無縁でありたいと願うのが経営者の本音でしょう。この最悪の事態に見舞われないためには、利益に一部を着実にプールしておくことや、収支バランスの見直し、不要な資産の整理などが求められてきます。
とはいえ、それでもビジネスには「売掛債権」の回収遅延などといった不測の事態がつきものです。資金繰り面の突発的なトラブルと直面した場合も、最短即日調達が可能なファクタリングを活用すれば、速やかな解決に結びつけられます。
こちらの記事も一緒に読まれています。
ファクタリング活用時にお役立てください♪