2022.12.25

売掛先(取引先)からの支払いが遅れた場合はどうなるの?

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    契約したファクタリングのタイプで、支払いが遅れた場合の対応は異なる

    ビジネス上の取引では、取引先に商品・サービスを納入してから請求書を発行し、先方の経理処理のルールで定められた期日に支払いが行われるというパターンが主流です。つまり、納品から代金の受け取りまでにかなりのタイムラグが生じるわけですが、取引先に代わって先払いしてくれるのがファクタリングです。

    ファクタリングとは、法人や個人事業主(自営業者)が所有する「売掛債権」を買い取ってもらえるサービス。「売掛債権」とは、取引先(商品・サービスを提供した相手)からその代金を受け取る権利のことです。

    では、取引先が約束の期日までに代金を支払ってくれなかった場合、ファクタリングの利用者はどのような対応を取るべきなのでしょうか? それは契約を結んだファクタリングの種別によって異なってきます。

    その種別とは、2社(2者)間ファクタリングと3社(3者)間ファクタリングです。

    3社間ファクタリングの場合、支払いが遅れても利用者はノータッチ

    2社間ファクタリングは「売掛債権」の所有者とファクタリング会社との間で行われる取引で、売掛先(取引先)は関与しないのが通常です。利用者は買い取ってほしい「売掛債権」の請求書や契約書、取引の実態を裏付けるメールでのやりとりなどを提出します(ファクタリング会社によって必要となるものは異なります)。

    すると、ファクタリング会社は「売掛債権」が実在していることや売掛先の信用力などを審査し、資金回収不能となるリスクが低いと判断できれば買い取りに応じます。審査に通過後、利用者の銀行口座には「売掛債権」額から所定の手数料を差し引いた金が振り込まれます。

    そして、期日になって売掛先からの入金があると、利用者はそれをファクタリング会社に送金することで取引が完結します。

    これに対し、3社間ファクタリングは「売掛債権」の所有者、ファクタリング会社、売掛先(取引先)の3社(3者)が関わって行われる取引です。利用者から「売掛債権」の買い取り申し込みがあると、ファクタリング会社は売掛先の信用力を審査したうえで連絡を取り、譲渡についての承認を求めます。

    売掛先から承認が得られると、ファクタリング会社は所定の手数料を差し引いた金額を利用者の銀行口座に送金。期日が訪れると、売掛先がファクタリング会社に代金を直接支払うことで取引が完結します。

    つまり、3社間ファクタリングでは「売掛債権」が売却された後、サービスの利用者はまったくノータッチですむということです。代金の支払いを巡っては、完全に売掛先とファクタリング会社との間でのやりとりとなります。

    遅延が発生すると、ファクタリング会社が売掛先に支払いを要求します。しかし、2社間ファクタリングの場合は事情がかなり違ってきます。

    2社間ファクタリングの契約では、サービス利用者が代金回収の作業を担う

    実は、2者間ファクタリングの契約において売却した「売掛債権」の代金回収は、ファクタリング会社からサービスの利用者に委託されているのです。「売掛債権」の所有者はファクタリング業者に変わるものの、委託契約が結ばれていることによって、回収作業は売却前と同じく利用者の役割となっています。

    期日に入金を確認できない場合は、ファクタリングの利用者が売掛先に催促する必要が生じるわけです。当日中の入金が難しそうなら、いつまでに必ず支払ってもらえるのかという確約を取りましょう。

    そのうえで、すぐさまファクタリング会社に連絡して売掛金の回収が遅れていることをきちんと報告すべきです。ファクタリング会社によって対応は異なりますが、売掛先が比較的短期間のうちに支払ってくれることが確認できれば、その条件を受けて入れてくれる可能性があります。

    ノンリコース契約なら、売掛先が不払いでも利用者に責任は及ばない

    もしも売掛先が催促に応じず、代金を回収できないとどうなるのでしょうか? 契約を結んだファクタリングに「償還請求権」が存在するか否かで、利用者の運命は大きく変わってきます。

    「償還請求権」とは、売掛先が代金を支払わない場合に、以前に「売掛債権」を所有していた人に支払いを求める権利のことです。ノンリコース(償還請求権なし)契約のファクタリングなら、売掛先が不払いでも利用者に支払いを求められることはありません。

    しかし、ウィズリコース(償還請求権なし)契約のファクタリングでは、売掛先から代金を回収できないと利用者に支払い請求が及ぶことがあります。国内のファクタリングではノンリコース契約が主流となっていますが、万一の事態に備えて利用の前にきちんと確認しておいたほうがいいでしょう。

    2社間ファクタリングで最も好ましくないのは、回収済みの代金を返金しないケース

    売掛先の不払いは非常に困ってしまうことですが、2社間ファクタリングにおいて利用者が最も気をつけるべきは、回収済みの代金をファクタリング会社に返金しないことです。資金繰りが苦しくてついつい使い込んでしまうようなケースが想定されますが、返金が遅れると売掛先に「債権譲渡通知」を送付されてしまう可能性が高まります。

    2社間ファクタリングのメリットは売掛先に「売掛債権」売却の事実を知られないことにありますが、支払いが遅れるとファクタリング会社は回収リスクが高まっていると判断し、保全に動くことになります。しかも、売掛先に連絡するだけにとどまらず、事件沙汰になることも考えられます。

    架空の請求書偽造などの詐欺事件も発生しており、たとえ利用者に悪意がなかったとしても、返金が行われなければファクタリング会社も打つべき手段を打つことになるでしょう。直ちに返金するのが難しい場合は、正直に打ち明けるのが得策です。ファクタリング会社によっては、返金を猶予してもらえるかもしれません。

    まとめ:ファクタリングでは、信用力の高い取引先の「売掛債権」を売却するのが賢明

    取引先に内緒で「売掛債権」を売却できる2社間ファクタリングが人気を集めがちですが、利用者に代金回収の役割が委託されていることも念頭に置いておくべきでしょう。その意味でも、売却する「売掛債権」は信用力の高い取引先のものに的を絞るのが無難です。

    そうすれば、支払いの遅延や回収不能となるリスクも抑えられますし、ファクタリングを申し込んだ際の審査も通過しやすくなって“一石二鳥”です。

    この記事を書いた人

    Payなび運営チーム

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