ファクタリングで資金調達するメリット・デメリット|業種別の活用事例もあわせて解説
目次
CLOSE企業や個人事業主の資金調達手段の1つとして知られるファクタリング。すぐに手元資金を確保できるという点で魅力のあるサービスですが、実際のところどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
そこで本記事では、ファクタリングの概要とメリット・デメリットをご紹介します。「なるべく早く資金を確保したい」「ファクタリングの利用を検討している」という方は、ぜひ最後までご覧ください。
ファクタリングとは?
ファクタリングとは、自社が保有している売掛金や受取手形を支払い期日を待たずにファクタリング会社に買い取ってもらうサービスです。
企業間で取引をする際、商品やサービスを提供してから1ヶ月〜数ヶ月後に代金の支払いがされることが一般的です。
ファクタリングを利用することで、サービス利用者は支払期日よりも早く資金を確保することが可能です。ファクタリングは資金繰りを改善できる方法として、個人事業主や中小企業など多くの企業から注目を集めています。
2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの違い
ファクタリングには、「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」の2つの種類が存在します。2社間ファクタリングは、サービス利用者とファクタリング会社の2社のみで取引が完結します。
対して、3社間ファクタリングはサービス利用者とファクタリング会社だけでなく、代金を支払う予定の売掛先企業も取引に加わります。
2社間ファクタリングでは、取引先にファクタリングを利用していることが知られないため、不信感を抱かれる心配が軽減されます。
一方で、3社間ファクタリングはファクタリング会社が債務者のリスク調査を行えるため、2社間ファクタリングに比べて手数料を安く抑えられる傾向にあります。
ファクタリングを利用する6つのメリット
ファクタリングを利用する主なメリットは以下の6つです。
- 現金化までのスピードが比較的早い
- 取引先に知られない【2社間ファクタリング】
- 経済状況が赤字でも利用できる
- 担保や保証人が不要である
- 決算書や信用情報への影響がない
- 取引先が倒産しても代わりに支払う義務がない
それぞれのメリットについて解説していきます。
1.現金化までのスピードが比較的早い
1つ目のメリットは、現金化までのスピードが比較的早い点です。ファクタリングは、他の資金調達手段と比較して入金までのスピードが早いサービスです。ファクタリングを利用することで、本来月末や翌月末以降に受け取る予定だった入金を早められます。
また、申込から審査、入金までの期間も他のサービスに比べて早く、一部のファクタリング会社では即日入金に対応しているところもあります。資金がすぐに必要な事業者にとって、現金化スピードの早さは大きなメリットといえるでしょう。
2.取引先に知られない【2社間ファクタリング】
2社間ファクタリングの場合、取引先にファクタリングの利用が知られない点もメリットの1つです。
取引先がファクタリングの利用を知られてしまうと、資金状況が悪いと誤解され、将来の取引に悪影響を及ぼす可能性があります。2社間ファクタリングでは、取引先企業に債権譲渡の通知を行わないため、ファクタリングを安心して利用できます。
3.経済状況が赤字でも利用できる
ファクタリングは、自社の経済状況が赤字であっても利用できます。なぜなら、ファクタリング会社にとっては売掛金を回収できるかどうかが重要であるためです。取引先が売掛金を支払ってくれると判断できるなら、利用者が赤字であっても問題ありません。
赤字が原因で銀行融資が断られた場合も、ファクタリングであれば資金調達できる可能性があります。
4.担保や保証人が不要である
ファクタリングは、銀行融資のように担保や保証人を必要としません。たとえば、銀行融資では、担保や保証人を要求されることが一般的です。しかし、ファクタリングは売掛債権を売却する形態であり、融資ではないため担保や保証人が必要ありません。
5.決算書や信用情報への影響がない
決算書や信用情報への影響がないのもメリットの1つです。ファクタリングは資産の売却として扱われるため負債が増えません。
そのため、ファクタリングを利用しても、企業の貸借対照表に悪影響を及ぼすことなく、資金調達できます。このような点も、ファクタリングを安心して活用できるポイントです。
6.取引先が倒産しても代わりに支払う義務がない
ファクタリングは原則は、償還請求権なしのノンリコース契約です。償還請求権とは、取引先から支払いがない場合、サービス利用者に支払いを請求できる権利です。
ノンリコース契約(償還請求権なし)を締結している場合、取引先が倒産してもファクタリング利用者は代わりに支払う義務を負いません。
ファクタリングを利用する7つのデメリット
ファクタリングを利用するデメリットは以下の7つです。
- 手数料が発生する
- 入金まで時間がかかる場合がある【3社間ファクタリング】
- 取引先に知られてしまう【3社間ファクタリング】
- 売掛債権の金額内までしか資金を調達できない
- 分割払いは認められていない
- 違法なファクタリング会社が存在する
- 複数のファクタリング会社を検討する必要がある
それぞれのデメリットについて解説していきます。
1.手数料が発生する
ファクタリングを利用すると、ファクタリング会社に対して手数料を支払う必要があります。手数料が高いほど、実際に受け取る金額は減ってしまうため、手数料はしっかり確認しておく必要があります。ファクタリングの手数料について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
2.入金まで時間がかかる場合がある【3社間ファクタリング】
3社間ファクタリングでは、債務者である取引先の承諾が必要となります。そのため、取引先の意向や承諾を得る手続きに時間がかかることがあります。
また、承諾が得られない場合は、ファクタリング自体が成立しないリスクもあるため注意が必要です。別の取引先に打診しなければいけなくなり、さらに時間がかかってしまいます。
3.取引先に知られてしまう【3社間ファクタリング】
3社間ファクタリングの場合は取引先の承諾が必要になるため、取引先にファクタリングの利用を知られてしまいます。
取引先によっては「資金状況が悪いのではないか」と懸念され、今後の取引に影響を及ぼしてしまう恐れがあります。ビジネス上の信頼関係を維持するためにも、ファクタリングの存在を知らせて良いのか判断した上でサービスを利用しましょう。
4.売掛債権の金額内までしか資金を調達できない
ファクタリングは売掛債権に基づく資金調達方法のため、売掛債権の金額を超える資金の調達はできません。大きな資金が急に必要な場合や、売掛債権の金額が少ない場合、銀行融資など他の資金調達方法を検討する必要があります。
5.分割払いは認められていない
多くのファクタリング会社では、一括での返済を基本としています。そのため、売掛債権を複数回に分けて引き渡すことはできません。他の資金調達方法に比べて柔軟性が劣る面もあるため、その点をあらかじめ認識しておきましょう。
6.違法なファクタリング会社が存在する
日本には多くのファクタリング会社が存在しますが、中には不正な取引を行う違法な会社も散見されます。これらのファクタリング会社と取引すると、法的なトラブルや損失のリスクが高まります。
そのため、相見積もりを取る、外部サイトの口コミを確認するなど事前の調査は欠かさずに行いましょう。
7.複数のファクタリング会社を検討する必要がある
複数のファクタリング会社を検討する必要があるのも、デメリットといえます。ファクタリングは貸金業ではないため、開業しやすいのが特徴です。そのため、多くのファクタリング会社が存在しており、それぞれ現金化スピードや手数料などの条件はさまざまです。
自社にあった最適なサービスを選ぶためには、複数の会社を比較検討する必要があり、手間と時間がかかってしまいます。
複数の会社から、どのファクタリング会社を探すのが難しい場合は「Payなび」を活用することで、手数料などの項目から自社にあったサービスを選べます。
融資と比較した場合のファクタリングのメリット・デメリット
融資とは、金融機関や公的機関から資金を借りることです。借手は融資を受けた金額に利子を上乗せして返済します。融資と比較した場合、ファクタリングには以下のようなメリットがあります。
- 返済義務がない
- 信用リスクが軽減される
- 審査に時間がかからない
ファクタリングは借入ではないため、返済義務はありません。ただし、売掛債権を回収したら、ファクタリング会社に支払う必要があります。さらに、融資すると負債は増えますが、ファクタリングの場合は負債は増えず、信用リスクが軽減されます。
審査時間においても、融資の場合は一週間から数ヶ月かかる場合がありますが、ファクタリグは最短即日の資金調達が可能です。
一方で、融資と比較すると以下のようなデメリットがあります。
- コストがかかる
- 調達金額が少ない
融資は金利、ファクタリングは手数料という形でコストが発生します。基本的にファクタリングの手数料は、融資の金利より高いため、コストの負担が高くなります。
また、ファクタリングで調達できる金額は売掛債権の範囲を超える金額は調達できません。一方の融資は高額の借入も可能です。
でんさいと比較した場合のファクタリングのメリット・デメリット
でんさいとは、電子記録債権の略で、オンラインでの取引を可能とする新しい決済手段として注目されています。
ファクタリングとでんさいを比較した場合、ファクタリングのメリットは、債券の未回収リスクを負わなくて済む点です。ファクタリングを利用する際、債務者が返済できない場合でも、ファクタリング会社に責任を負う必要はありません。
一方で、でんさいを使用した取引において、取引相手が支払い不能に陥った場合、利用者は金融機関に責任を負う可能性があります。
ファクタリングのデメリットは、ファクタリング会社の信頼性を確認する必要がある点です。対照的に、でんさい取引は全国銀行協会が設立したでんさいネットを介して行われるため、信頼性が高いと言えます。
まとめ
本記事では、ファクタリングのサービス概要と、メリット・デメリットについてご紹介しました。
ファクタリングは融資やでんさいと比較して素早く現金を確保できる魅力的な資金調達手段です。一方で、ファクタリング会社は会社ごとにサービスの内容が異なり、悪徳業者も含まれるため利用する際は見極めが必要です。
ファクタリングを利用する上で会社選びに迷ったら、「Payなび」の利用がおすすめです。
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